外来
患者さん・ご家族のために
片側顔面痙攣 三叉神経痛
顔の半分がピクピクする、あるいは、顔の半分が痛い、市販の痛み止めが効かない・・・そんな症状で長年苦しんではいないでしょうか?脳の血管が原因のことがあります。
顔の運動は顔面神経、顔の感覚は三叉神経という神経がそれぞれ受け持っています。これらの神経が脳幹という脳の一部から出る(あるいは入る)場所で、血管に触れることで顔の筋肉の異常運動(あるいは顔の異常感覚「突き刺すような鋭い痛み」)が生じることがあります。これを顔面けいれん(あるいは三叉神経痛)といいます。
これらの病気の治療にはまず薬物治療が行われます。また、ボトックス注射でけいれんを弱めることもできます。しかし、薬が効かない場合には手術を考慮します。
手術は微小血管減圧術といいます。耳の後ろの頭蓋骨を開け、脳幹からこれらの神経が出る(あるいは入る)部分を観察し、血管が触れていれば血管と神経を離します。離す方法は色々あり、接着剤で血管を別のところに張り付ける方法や、ひもで血管を吊り上げる方法、脳幹と血管の間に綿を詰める方法などがありますが、手術をして観察したところで最適な方法を行います。減圧が確認できれば術後の再発はわずかです。術後1週間程度で抜糸でき、その後退院可能となります。
右三叉神経痛の患者さんです。赤い血管が白い神経を右側へ押しているのがわかります(左図)。鮮やかな白いひもで血管を吊り上げ、圧迫が取れました(矢頭、右図)。術後顔面の痛みは全くなくなり、職場復帰しています。
まずはMRI検査で血管と神経が接しているかの診断が必要です。心当たりのある方は一度検査を受けてみてください。