武田病院について

放射線科

概要

放射線科では、320 列MDCT 1 台、MRI 2 台(3T , 1.5T)、一般撮影装置 2 台、マンモグラフィ装置 1 台、ポータブル撮影装置 2 台、骨塩定量装置 1 台、透視装置 2 台、血管撮影装置 3 台(DSA 含)、PET-CT 2 台で診療を行っています。
診療放射線技師数は18名です。

当院は救急の対応にも力を入れており、放射線技師は24 時間・365 日いつでも検査対応できるよう臨んでいます。また、医療機器・装置をフル活用し、画像診断業務と地域連携による紹介患者の検査診断診療に専念しています。検査に関しては装置の最適化に力を入れ、患者さんに侵襲の少ない検査を受けられるよう心がけています。
スタッフの Technology 向上には、放射線科勉強会を毎月開催し、院外での学会や勉強会参加・発表に尽力しています。放射線技師が扱う各装置は専門性が向上しており、知識・技術の普及を考慮した認定制度が設立しています。

単純X線撮影検査

一般的に「レントゲン」と言われ、放射線を利用した検査です。
胸部(肺)撮影では「息を吸って止めて下さい」の撮影が代表的です。骨や関節の撮影に関しては、身体の骨すべてが被写体となります。立って撮影する方法や寝て撮影する方法など様々な体位での撮影方法があり、患者さんの協力をいただき施行しています。

レントゲンといえばフィルムを想像できます。しかし現在、フィルムは出していません。パソコンで閲覧できるデジタル写真に代わっています。

ポータブル(回診用)撮影

手術後や移動が困難な患者さんへの撮影は、手術室や病室へ移動可能なX線装置で伺い撮影しています。医師や看護師さんの協力がとても重要で、患者さんの苦痛をいかに少なくできるかがキーポイントです。

骨塩定量検査

DXA(デキサ)法を使用し測定部(前腕)に2種類のX線を照射します。骨のX線吸収率を測定し骨密度を算出します。検査時間は1〜3分程度で自身の骨量が計測できます。

マンモグラフィー

乳房撮影といい、乳房専用のX線撮影装置になります。
乳房中の乳腺を伸展し圧迫した状態で撮影行います。正常乳腺を伸展して圧迫することで乳房の中身が見やすくなります。また正常乳腺と病変重なりを減らし、病変の範囲や形状の判定を行いやすくすることが出来ます。
*当院においての撮影は女性技師のみ!としています。また、操作室からも撮影室内を見えることがないよう注意しています。

気にされている方や検診に関しても、当院は「マンモグラフィ検診施設画像認定施設」を取得しています。お気軽に来院していただければ幸いです。

京都市情報館(京都市乳がん検診ページ)です。
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000117091.html

京都市乳がん検診 指定医療機関

X線透視検査

X線TV装置を使用し、リアルタイムに観察部位を確認し撮影しています。

上部消化器管造影検査

食道・胃・十二指腸の検査になります。バリウム(造影剤)を飲んでいただき胃を膨らませた状態で、色々な角度の撮影を行います。

下部消化器官造影検査

大腸の検査が主になります。バリウム(造影剤)等を使用し、大腸全体(直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸)の検査を行います。

その他の造影検査

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)
EST(内視鏡的乳頭切開術)
UCG(尿道膀胱造影)
RP(逆行性腎盂造影) 等

CT検査

CT(Computed Tomography、コンピュータ断層撮影)検査はX線画像をコンピュータで解析計算し、体内を輪切りに見せたりできる検査です。
当院は320列検出器を搭載したAquilion ONEを導入しています。様々な部位の検査に有効なCTですが、特に心臓(冠動脈)撮影に特化した装置です。旧装置は80列検出器であり、4.0cmの厚みで撮影していたのですが、現装置は320列検出器があるため16.0cmの厚みで撮影できます。これは一回転で心臓全体が撮影できるのです。心臓CTは心臓カテーテル検査の前段階の検査やカテーテル治療後のフォローアップ検査に力を発揮しています。
撮影後の画像処理は装置とは別のワークステーションを操作し立体処理や計測処理など多岐にわたる画像を作成提供しています。
有用な画像を取得するためには、使用する技師の技術向上が必須です。勉強会や学会、研究等に積極的に参加し、装置の最適化や放射線被ばくの低減を目標に低侵襲化を努力し励んでいます。

MRI検査

MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像)検査は、強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。
MRIはCTとの違い「被ばくをしない!」ことが特徴です。それは放射線を使用せず磁気・磁力を使用するためです。CTとは得られる画像も異なっているため検査目的の違いで検査選択が変わります。
MRI画像はレントゲンなどのX線画像やCTでは写りにくい椎間板ヘルニアや膝の半月版などを明瞭に見ることができます。
特に頭の血管が詰まってしまう脳梗塞の診断に非常に有用です。
当院では脳神経外科が24時間対応しているため、検査を行い早期治療に力を入れています。
令和5年8月から新型3T-MRIが稼働しています。従来の1.5T-MRI装置と比べてより高分解能・高画質の画像で全身領域の診断が可能です。
検査の注意点は、体に金属が入っている、狭いところが苦手な方など。検査前に問診を行い検査担当者、医師と相談の上、できるかぎりの対応を行っています。
また、大きな音の出る検査になります。耳栓やヘッドホンを利用して少しでも消音軽減できればと考えています。

血管撮影検査

血管撮影は、目的とする血管内にカテーテル(細いストローのような管)を挿入しその管から造影剤(血液を描出する液体の薬)を注出します。リアルタイムに映された画像を動画として保存します。当院では狭心症・心筋梗塞など虚血性心疾患の検査・治療を行う第一血管撮影室。心臓アブレーションやペースメーカー植込みなどの不整脈関連の治療を行う第二血管撮影室。脳血管内治療・肝動脈化学塞栓術・四肢血管撮影など心臓を除いた全身の血管の検査・治療を行う第三血管撮影室の3つのカテーテル室が稼働しています
放射線技師は各カテーテル室に配置し、最適な画像の提供、装置管理、カテ-テル室の運営、放射線被ばくの管理・教育などを行っています。
チーム医療の一員として放射線技師の特色を最大限生かし、医師や他職種のスタッフと協力の元、患者さんに対しより良い医療の提供に貢献しています。

画像診断棟

保健・医療・介護・福祉サービスのさらなる質の向上と機能の充実による地域医療への貢献を目指し、その一助として画像診断棟がたちあがりました。

ガンの早期発見・早期治療を目的とし、最先端の医療を提供するために、平成16年11月にPET-CT装置を導入し、今までに50,000件を超える検査を実施いたしました。

令和4年12月には半導体検出器を搭載した新型PET-CT装置が稼働しています。従来の5倍以上の高感度となり、高分解能画像と短時間撮像を両立した「被検者にやさしいPET-CT検査」が可能となります。

PET-CT装置は、PET画像にマルチスライスCTスキャナによる画像を融合して、ガンの代謝や性質に加え形状や場所を画像として確認し、さらに悪性度を診断することができます。通常検査の約10~20倍の検出能があるので、これまで見つけにくかった全身(頭頂~大腿基部)の小さな病変を早期発見できるわけです。

PET-CT装置に加え、画像診断棟ではMRI(1.5T)を導入し、さらなる診断能の向上と、従来からの検診をうまく組み合わせ、ガンの早期発見と、早期治療によって完治の可能性を高めています 。

早期発見さえできれば、ガンは不治の病ではありません。

検査の結果、万が一にもガンや腫瘍が発見された場合には、PET-CTで撮影した画像診断データをもとに正確な診断を行い、ただちに効果的な治療を開始できるように、武田病院グループ全体で、PET検査、診断、治療までを一連の流れで対応できるバックアップ体制を整えております。
外科治療・内科治療ともにそれぞれの分野に精通した専門医が迅速に適切な治療を行います。

多職種との連携は、PET-CT装置でガン検診も実施している為、健診センター、予約総合窓口とも密に連携しています。
また、感染対策委員会・褥瘡対策委員会・医療安全委員会・サービス向上委員会などの多くの院内委員に参加しより満足度の高い医療が提供できるよう努めております。