脳神経内科(神経内科)
診療方針
脳神経内科は、中枢神経(脳、脊髄)・末梢神経・筋肉の障害によっておきる病気を診療する科で不安障害、うつ病、統合失調症やパニック障害などの心の病気を対象とする精神科や心療内科とは異なります。
頭痛、手足のしびれ、めまい、ふらつき、けいれん、むせ・飲み込みにくい、しゃべりにくい、物が2重に見える、ふるえ、歩行障害、力が入りにくい、物忘れ、意識障害などの症状が診療対象となります。必要に応じてCT・MRIなどの画像検査や髄液検査、脳波、神経伝導検査などの神経電気生理学的検査、高次脳機能検査など、さまざまな検査で診断を進めていきます。診断の結果、外科的処置が必要な場合は脳神経外科、整形外科と連携して治療を行います。
診療科体制
当科では常勤医師3名に非常勤医師3名の合計6名(5名は日本神経学会認定神経内科専門医・指導医、日本認知症学会認定専門医・指導医)で、日本神経学会認定准教育施設および日本認知症学会専門医教育施設として神経内科と高次脳機能障害全般の診療、治療にあたっています。脳梗塞などの脳血管障害、アルツハイマー型認知症を代表とする認知症、パーキンソン病を含めた神経変性疾患、末梢神経障害や脊髄疾患、脳炎や髄膜炎などの感染性疾患など神経内科で扱う疾患全般について診断・治療を行っています。
外来診療としては神経内科外来を月曜日から土曜日まで行っており、さらに特殊専門外来としては主に認知症を対象とした「もの忘れ外来」、頭痛疾患を対象とした「頭痛外来」、高次脳機能障害を対象とした「失語症外来」を行っております。
特に認知症は近年の高齢化に伴い急増しており、65歳以上の15%が発症し2013年には462万人となり、認知症予備軍も含めるとかなりの数の患者数が存在すると考えられ、治療が必要な認知症患者数もかなりの数が存在していると考えられます。各種画像検査や言語療法士による神経心理学的検査を行い、正確な診断を行うとともに治療を行っております。必要に応じてグループ病院や近隣病院との診療連携を行いSPECT,PETなどの核医学検査も行っています。 2023年12月よりアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度認知症に対する治療薬であるレカネマブが治療薬として新たに加わることになりました。レカネマブは及びアルツハイマー病の病態に作用して進行を遅らせることが出来る薬剤であり当院においても3月から開始しております。(詳細については軽度アルツハイマー型認知症の新薬 レカネマブ(商品名:レケンビ®)についてをご参照ください)
神経内科で診療する疾患
- 脳血管障害(脳梗塞、脳出血)
- 認知症(アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、特発性正常圧水頭症など)
- 頭痛(一次性頭痛である片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など)、三叉神経痛、後頭神経痛
- めまい症(末梢性/中枢性)
- 神経変性疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症など)
- てんかん
- 髄膜炎/脳炎
- 多発性硬化症などの中枢性脱髄性疾患
- ビタミン欠乏性/代謝性脳症
- 重症筋無力症
- 筋疾患(筋炎、ミオパチーなど)
- 末梢神経障害(ギランバレー症候群、慢性炎症性脱随性多発根神経炎、糖尿病や膠原病、ビタミン欠乏性などの内科疾患に伴う神経障害など)
診療実績
初診外来患者数 486人/年
再診外来患者数 6793人/年
入院患者数 160人/年
1年間の神経内科で行った臨床検査実施件数
CT | 351件/年 |
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MRI、MRA | 928件/年 |
RI検査(近隣病院への依頼) | 19件/年 |
頭頚部血管超音波検査 | 89件/年 |
脳波 | 75件/年 |
針筋電図 | 9件/年 |
誘発筋電図 | 73件/年 |
神経心理検査 | 125件/年 |