頭痛外来
頭痛外来は頭痛学会認定専門医が担当いたします。
頭痛は一次性頭痛と二次性頭痛に大別されます。
二次性頭痛は、何らかの頭痛の原因となるものから生じる頭痛であり、脳血管障害や髄膜炎などの感染症による頭痛、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口などの顔面、頭蓋組織の障害が原因となります。
二次性頭痛は、急性の経過で、生命に危険を及ぼす頭痛もあることから、まず、画像を中心とした各種検査により一次性頭痛を発見していく事が重要です。
特に
- 突然の頭痛
- 今まで経験したことがない頭痛
- いつもと様子の異なる頭痛
- 頻度と程度が増していく頭痛
などでは特に二次性頭痛との鑑別が重要となります。
一次性頭痛は、脳に器質的異常を認めない脳の機能障害によって慢性反復性の経過で持続的に生じる頭痛のことであり、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、その他の一次性頭痛があります。
片頭痛
我が国の片頭痛の有病率は8.4%(男性3.6%、女性12.9%)、20-40歳代に多い頭痛であり、20-40代の女性では特に多いとされています。
一般に左右どちらか片側に脈打つような痛みがおこり、日常生活動作において頭痛が悪化し、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、また周囲の光や音、臭いに敏感となるため、休むことを余儀なくされ、日常生活に支障が出る事が多く認められます。
片側だけでなく両側に生じることもあり、また頭痛の起こる前兆にギザギザの光が見える部分と見えにくくなる部分が見えると言った閃輝暗点や手足のしびれが出現するものもあります。
治療として頭痛が起こったときに行う急性治療と頭痛の発症頻度や強さなどを抑える予防治療があります。急性治療としてはアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症剤、制吐薬の他、片頭痛に特化した治療薬としてトリプタン製剤があり、中等度から重度の頭痛ではトリプタン製剤が推奨されています。
頭痛回数が多い、頭痛に対しての不安が強いなどにより、急性期治療薬を頻繁に使用する事により薬物使用過多による頭痛を併発することがあり、この場合予防薬による治療が重要となります。
予防薬治療は片頭痛発作が頻繁に起こる、頭痛による日常生活支障度が大きい、急性期治療薬が使えない場合などに行うことが推奨されていましたが、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗てんかん薬といった薬剤の中で片頭痛に対して有効性が認められています。
但し、従来の治療薬では即効性と有効性の点から不十分な場合やまた副作用の面から継続することが困難な事例が認められました。
近年、予防薬治療において、新たにカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連の治療薬が使用できるようになり、従来の予防薬において有効不十分であった事例においても有効性が期待されています。
緊張型頭痛
一次性頭痛の中で最も頻度が高い頭痛で、頭を締め付けるような頭痛で、基本的には日常生活に支障が生じることはない頭痛です。
群発頭痛
片側の眼の周囲から側頭部にかけての激しい頭痛が起こり、発作時には眼の充血や涙がでる、鼻づまりが同時に起こることがあります。群発頭痛では痛みのあまりじっとしていられず、落ちつかなくなることも特徴です。若い男性に多く、一定の期間、同じ時間帯で群発し一定期間が経てば消失するといった特徴があります。
群発頭痛及び群発頭痛に類似した発作性片側頭痛などを含めて三叉神経・自律神経性頭痛と区分されています。
その他の一次性頭痛として、一次性咳嗽性頭痛、一次性運動時頭痛、一次性穿刺様頭痛などがあります。