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2017 ABC-WIN Seminar 脳動脈瘤塞栓用最新器材ニュースNo.2017-1 pCONus【医療関係者向け】

2017年ABC-WIN Seminar:15-20 January, 2017 Val d’Isere, France
No.:2017-1 脳動脈瘤塞栓用最新器材ニュース pCONus

http://www.abcwin-seminar.com/programme

コイル塞栓補助器材-1 (pCONus)

コイル塞栓術を補助する器材としてステントが使用されているが、瘤頚部を密に覆う、あるいは底を作ることで、開口部の大きな動脈瘤のコイル塞栓を容易にする器材としてpCONus、PulseRiderが使用されるようになってきている。
PulsRiderについては3つの発表があり、pCONusについても2つの発表があった。
pCONusについての2演題の要約を紹介する。
まず英国の他施設共同臨床試験でSaeed Foziaからの発表についてpCONus-Fig.にまとめた1)
pCONusの形状はpCONus-Fig.をご覧いただきたいが、ステントの先端が広がった形状をしている。
この部分に薄い膜を取り付けたタイプもあるようだが、今回の試験では付いていないものと思われる。
7施設19症例の治療成績である。動脈瘤の場所は前交通動脈瘤未破裂5例、破裂1例、脳底動脈瘤未破裂2例。
破裂1例、中大脳動脈瘤未破裂6例、破裂2例で破裂瘤も含まれている。
場所から見ても末端部にある動脈瘤で、ネックの大きさは平均6.7mmと大きい。
他のpCONus臨床試験結果との比較を行っており、Fig.にまとめてある。合併症は血栓塞栓が多いようである。
今回の英国の試験では未破裂瘤では1週間前からアスピリン、クロピドグレルのDAPTを使用している。
破裂瘤でもSAPTあるいはDAPTの急速飽和を行う形で抗血小板薬は使用されている。
破裂、未破裂の両方を含んだ試験であり治療成績の解釈はむつかしいが、術後6か月のmRSは本試験では94%であり、他試験を含めると72~100%と良好である。
直後ならびに6か月後の画像診断をRaymond分類で行っている。6か月後のRaymond 1は33~59%となっている。
いずれの試験においても6か月の間に閉塞の進行が認められる。
彼らの結論ではpCONus使用治療は安全で効果的で画像診断結果も良好であるが急性期の治療としての役割については予備的な検討にとどまるとしている。

pCONusを使って大型の中大脳動脈瘤を治療した症例の報告がポーランドのMarcin MIS, Maciej MISからあった2)
かれらはTeddy bear techniqueと命名している(Teddy-Bear-Fig.1-2)。
大きな分枝が動脈瘤壁から出ている症例である。
まず瘤頚部内側にpCONusの先端の開いた部分が密着するように留置する。
Teddy-Bear-Fig.1内のAで説明されている。
この留置されたpCONusを通して、solitaireステントをpCONus内から、瘤から出ている分枝まで誘導留置(Teddy-Bear-Fig.1内のB)する。
留置されたsolitaire内腔にコイルが入らないようにsolitaire内でバルンを膨らませながら(Teddy-Bear-Fig.1内のC)、他のマイクロカテーテルからコイルを瘤内に留置する(Teddy-Bear-Fig.1内のD)。
治療結果画像では、すべての中大脳動脈分枝が開存しかつ動脈瘤が閉塞している。
もちろん長期成績が必要だが、いろいろと応用がきく器材のようである。

引用文献・発表)

  1. Multi-centre UK experience with the pCONus device: safety and short term results Presenting Author Fozia Saeed: Saeed F., Leeds General Infirmary, Leeds, UNITED KINGDOM ; Dobbs N., ; Downer J., ; Keston P., Western General Hospital, Edinburgh, UNITED KINGDOM ; Clifton A., St George's Hospital, London, UNITED KINGDOM ; Padmanabhan R., James Cook University Hospital, Middlesbrough, UNITED KINGDOM ; Saleem N., ; Crossley R., Queens Medical Centre, Nottingham, UNITED KINGDOM ; Sonwalkar H., Royal Preston Hospital, Preston, UNITED KINGDOM ; Lamin S., University Hospitals Birmingham NHS Foundation Trust, Birmingham, UNITED KINGDOM ; Goddard T., ; Patankar T., Leeds General Infirmary, Leeds, UNITED KINGDOM: ABC-WIN Seminar 15-20 January, 2017 Val d’Isere, France
  2. Difficult case of "untreatable" MCA aneurysm with all branches arising from the dome - the "Teddy Bear" technique: Miś Marcin., Medical University Hospital, Wrocław, POLAND ; Mis. M.aciej, Specialized Hospital im. A. Sokołowskiego, Wałbrzych, POLAND: ABC-WIN Seminar 15-20 January, 2017 Val d’Isere, France

文責 滝 和郎

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