麻酔科
概要
手術時の麻酔管理および外来での痛み治療(ペインクリニック)を、専門の麻酔科医が担当しています。
診療方針
手術を受ける方へ
「麻酔とは」
手術には痛みと大きなストレスが伴います。痛みとストレスは手術後の回復に悪影響を与えます。そこで、痛みを感じなくさせストレスから患者さんの体を守ることが必要です。
麻酔とは、単に意識や痛みを取り除くだけでなく、患者さんの全身状態を正常に維持して手術を安全に行えるようにすることを目的とした医療行為です。
「麻酔科医の役割」
麻酔科の学会が発足してから、まだ60年ほどです。昔はほとんどの麻酔は外科医が受け持っていました。しかし、手術が複雑化したり患者さんの高齢化が進むに従って、安全を確保するためには、全身状態の管理を専門に行う医師が必要になってきました。手術を受ける患者さんの全身状態を調整し管理する専門家、それが麻酔科医です。
具体的には、麻酔薬をはじめ各種薬剤の投与、点滴や輸血、人工呼吸などを行い、血圧・脈拍・呼吸・体温・尿・血糖値などを測定して、異常があれば補正して安全な状態に維持します。手術が終わった後は、血圧・脈拍・呼吸などが安定して意識が回復したことを確認し、患者さんが無事に病棟へ戻るまで、患者さんのそばで生命の安全を守っています。
麻酔の方法には全身麻酔と局所麻酔とがあります。術前に問診や診察を行って全身状態を把握し、患者さんのご希望も考慮した上で、適切な麻酔方法を選択します。
手術後の痛みは害になります。内服薬や注射のほか、持続硬膜外鎮痛・持続末梢神経ブロックやPCA(患者さん本人による自己調節鎮痛法)などを用いて、術後鎮痛にも配慮しています。
麻酔には必ず危険が伴いますが、当院では麻酔の専門医が、より安全で質の高い麻酔を提供できるように心がけています。
痛みに悩んでおられる方へ
痛みは我慢すべきものではなく、治療しなければならない病気です。長引く痛みがあると、生活が楽しくなくなり、表情は暗くなり、睡眠や食事が十分に取れなくなります。「痛い、痛い!」と苦しんでいる人がいると、周りの人にも悪影響を与えます。長く続いた痛みを完全になくすことは容易ではありませんが、痛みをコントロールすることが必要です。
痛みの治療には、内服薬・神経ブロック・手術などの方法があります。各々の痛みの原因に適した治療法を選ばなければなりません。
麻酔科外来(ペインクリニック)では、痛みの治療の専門医が、主にブロック注射を駆使して、腰痛・肩こり・頚肩腕症候群などの痛みの治療を行っています。
診療体制
治療実績
日本麻酔科学会認定病院
手術件数
当院の手術室では年間約500件の手術を行っており、そのうちの約70%(全身麻酔に関しては全例)を、麻酔の専門医が担当しています。
研究テーマ
麻酔科学は日々進歩しています。学会や研究会に参加して最新の知識を得るとともに、発表も行っています。
教育計画
当院麻酔科は大阪医科大学の関連研修施設で、部長は大阪医科大学臨床教育教授を兼任しており、医学生や研修医の指導も行っています。