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第3回京都ハートの日市民公開講座が開催されました
■武田病院グループ第3回「京都ハートの日市民公開講座」
心疾患にならない健康な心臓を目指して話し合う
心臓病の危険因子とされる高血圧や糖尿病などの生活習慣を見直し、検査や早期治療、リハビリの大切さを研修する第3回「京都ハートの日市民公開講座~心臓病にならないために~」(共催:武田病院グループ、日本心臓財団)が8月11日、京都市下京区のメルパルク京都で開かれ、府民の皆さんや心疾患に悩む患者、家族など150人が熱心にメモを取る姿が目立ちました。
1985年に日本心臓財団が創設した「健康ハートの日」(8月10日)に協賛するため、武田病院グループでは3年前から心臓病の予防意識の向上事業に取り組んできました。その先頭に立って活動する木下法之・武田病院循環器センター部長の開会挨拶につづいて、講演1では、康生会クリニックの今井優健康運動指導士が『心臓リハビリテーションについて』と題し、「心臓リハビリの重要性としては心臓機能の回復と同時に、仕事への復帰や運動など日常生活への不安を取り除くことも大切な役割です」と強調。手術後など入院中の急性期や、退院後の回復期のリハビリについて、武田病院グループで使用している運動療法の画像を示しながら、イスに座った状態で行うストレッチ体操、プールや自転車を用いての有酸素運動、体の状態を確認しながら歩く距離や速度を上げていく筋力トレーニングの方法を説明しました。
講演2は『現代日本人の心臓病 その傾向と対策』と題して木下センター長が、コレステロールや中性脂肪などがたまってスムーズな血流を妨げる動脈硬化が、急増している心筋梗塞の最大の原因である現状を冒頭に報告。「特に近年、日本人の20歳から30歳代が脂質を摂り過ぎるなど、今後も心疾患がさらに増えるのではないかと心配されます。また、悪玉コレステロールであるLDLを代謝しない〝家族性高コレステロール血症〟が両親やいずれかに発症した場合、子供もり患するケースが多いと考えられています。そのため、動脈硬化を招く糖尿病、高血圧、肥満など正しい生活習慣を維持することが必要です」と訴えました。
武田病院健診センターの桝田出所長が、糖尿病が心臓病など多くの病気を引き起こす要因となっている現状を報告。特に初期症状がなく、気づいた時には糖尿病が進行して足の血流に影響を及ぼすなど、予防のための健診の大切さを呼びかけました。
『心臓病予防のために』シンポジウムでは、講演の医師やまつばらクリニック(循環器内科・内科)の松原欣也院長、康生会武田病院心臓血管外科の朴昌禧部長もパネリストに加わり、事前に寄せられている患者・家族からの質問に答えました。「心筋梗塞の薬は生涯、服用しなければいけないのか」の質問には、松原院長から「がんは高齢化とともに発症率が高まりますが、循環器疾患は若い世代にも多く、死に至るケースもあり、何より予防が大切です」と強調。また、「心筋梗塞のバイパス手術を受けたが再発の危険性は」「自宅での血圧の正しい計り方」「猛暑での屋外の運動方法」など、パネリスト一人一人が丁寧に応えました。