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11月1(木)『心不全地域連携勉強会』を開催致しました。
基幹病院と開業医、多職種が結集し
急増する心不全に地域で対応していく
急速に増加する心不全。現在、120万人ほどの罹患者数が2030年には130万人に達すると推計されています。こうしたなか、康生会武田病院、下京西部医師会、大塚製薬株式会社は共催で「心不全地域連携勉強会」を11月1日に下京区のメルパルク京都で開催しました。当日は、地域の開業医の先生やコメディカルなど90名が集まり、症例を通じた意見交換を行いました。
冒頭、挨拶に立った当院の武田純院長は、「毎年1万人の患者さんが増加し、心不全パンデミックと言われています。対応するには、基幹病院と地域の医療施設の連携が欠かせません。さらには、重要な選択肢となっている心臓リハビリテーションのために理学療法士と連携し、サルコペニアを防ぐために管理栄養士と連携、またフレイル状態にならないよう地域における生活環境を整備するため看護師が関与するなど、職域を超えた連携も重要となっています。本日はこれを網羅する企画ですので、古くて新しい病気である心不全を皆さんと一緒に学びたい」と語りました。
第一部では、循環器内科・内科まつばらクリニックの松原欣也院長が座長を務め、総合東京病院循環器センターの滝村英幸医長が「心不全高齢化に向けたDiuretic UPgrading Therapy(DUPT)」と題し基調講演を行いました。
滝村医長は講演で、ループ利尿薬とは異なるサードスペースでの体液貯留を排出するSamsca(トルバプタン)の効果やhANP(カルぺリチド)、フロセミドなどの薬剤をコンビネーションさせる「hANSam(ハンサム)療法」を紹介。早期に治療開始することにエビデンスが出ており、入院期間が大幅に短縮できることなどを説明しました。
第2部では当院循環器センターの木下法之部長が座長となり、心不全の治療を支える多職種が集まり、「症例提示を通じて病診連携を考える」と題し、ディスカッションを行いました。
登壇したのは、開業医の代表として関透院長(関医院内科・循環器科)、当院勤務医として澤西高佳副部長と太田啓介医員、看護師として高井香師長、心臓リハビリテーションとして上西貴美子心臓リハビリテーション指導士(健康運動指導士)、栄養士として森田秀之管理栄養士、地域連携として大島恭子患者サポートセンター副センター長と佐須雅司社会福祉士の8名です。
大動脈狭窄症、慢性うっ血性心不全、洞不全症候群(永久ペースメーカー植え込み術後)の101歳の女性など、複数の症例をあげながら、登壇した医師、コメディカルがそれぞれの立場で発言し、会場からも意見を集めながらディスカッションが進められました。
総括として木下部長は、「これから心不全の患者さんはもっと増えていきます。その対応で、いかに上手く治療をさせていただき、自宅にレベルを落とさないで戻っていただく、そして再発予防をしていくのが武田病院の使命だと思っています。地域の先生方と一緒に連携を組みながら、再入院させない体制を築いていきたい。万が一再発した際は、多職種が関わりながら対応させて頂きます」と語りました。
むすびにあたって関院長は、「地域での病診連携を活発にさせていくことで、心不全の増悪を一つでも抑え込むことが出来るのではないかと思います。万が一、再発した場合は病院で治療し、また在宅に戻って診ていくケースがますます増えていくと思います。この地域の中核病院として武田病院にはこれからも頑張っていただきたい」と語り、万雷の拍手が会場に響きました。