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新着情報

お知らせ 2017/12/12

第4回脳卒中にならないための市民公開講座を開催しました

脳の全ての疾患先端医療や治療法について
開業医の医師や専門医が意見交換

救急搬送中の死亡や、寝たきりなど予後が問われる脳卒中にならないための対応や、先進医療について脳疾患治療の専門医らが意見を述べ合う『第4回脳卒中にならないための市民公開講座』(主催:武田病院脳卒中にならないための市民公開講座実行委員会)が10月7日、京都市南区の京都テルサで開かれ、開業医の医師や患者・家族の方々など80人が出席、脳卒中の現状について研修を行いました。

  講演Ⅰとして、石川医院の石川光紀院長が座長を務められ、『脳卒中からどう守るか...脳血管は若返るか?』をテーマに、康生会武田病院の八木秀雄副院長が、脳卒中などになった際の患者、家族の対応について分かりやすく解説。八木副院長は、脳疾患から認知症に至る「ゆっくり認知障害や物忘れ、運動範囲が狭まることでの廃用性症候群になることが多いです。糖尿病や高血圧がこれらを招くことが知られており、普段からの生活習慣の改善と、魚や肉、野菜の摂取、運動によって血管を若返らせて〝未病〟を心がけることが大切です」と強調しました。

 石川医院 石川光紀先生、.jpg                 神経内科 八木秀雄先生、.jpg

 講演Ⅱでは、『急性期脳梗塞に対する脳血管内治療:当院での取り組みについて』と題して武田病院脳神経外科の定政信猛部長は、冒頭、「乳がんの死因が新聞紙上を賑わしていますが、実は脳卒中で死亡される女性はその2倍以上に上っています」と報告。また定政部長は、疫学研究で知られる福岡県久山町の地域住民を対象とした脳卒中の実態調査を示し、「ラクナ梗塞、アテローム血栓症、心原性梗塞の10年間の経過では半数が再発し、心原性では75%が再発しているのが現状です」と、脳卒中治療の手技を画像で示しながら不断の検査などへの留意をうながしました。続いて、『甘党?辛党?それとも塩派?好きなものを味わうために、その工夫』で、清水英都子・武田病院栄養科長が食事の自己管理の大切さを、具材と簡単レシピを紹介しました。

脳神経外科 定政信猛先生、.jpg             栄養科 清水英都子先生、.jpg
 特別講演としては、ねりま健育会病院の酒向正春院長が、『脳卒中リハビリテーションと街づくり』と題して、院長が2013年に、NHKの「総合プロフェッショナル~仕事の流儀」で出演されたことなど、ユーモアを交えながら脳卒中発症後のリハビリの重用さを訴えました。 

特に酒向院長は、62歳の男性でくも膜下出血を発症し、寝たきりになって相談に応じた症例を取り上げ、「家族の希望としては、言葉による意思の疎通もできず、経口摂取もままならないということでした。過去、同様の事例で3割は回復に至っており、脳の状態を診て、私も回復可能と確信し、1カ月後には自分で食事ができるまで回復しました」と、7カ月間も身動きできなかった患者の症例を発表、その背景には、「ナースやリハビリスタッフなどの協力と、指導者の確かな判断、リハビリ技術への自信など指揮官の力が求められます」と強調しました。

ねりま健育会病院 病院長 酒向正春先生1.jpg

 

会場からの質疑に応じて『脳卒中にならないために』のシンポジウムに移り、武田病院 脳卒中センターの滝和郎センター長が司会進行に、石川光紀院長、酒向正春院長ら講演の医師らが、「日常の食生活」「アルコール摂取の限界」「血管性の認知症の予防について」「維持期のリハビリとは」「脳梗塞の診断ですが、意識はハッキリしているのに」といった深刻な質問にも分かりやすく答えました。
シンポジウム写真① (1).jpg                 シンポジウム写真②.jpg