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第1回「脳卒中にならないための市民公開講座」が開催されました

2014/12/06 インフォメーション 武田病院

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■武田病院グループ 第1回 脳卒中にならないための市民公開講座

 早期の気づきと治療への決断が救命
 専門医ら4.5時間の大切さ強調



0053.jpg  死因では第4位でも寝たきりの原因では第1位の腦卒中について、早期発見と治療が救命につながることや予防について認識する第1回「脳卒中にならないための市民公開講座」(脳卒中にならないための市民公開講座実行委員会主催)が11月30日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開かれ、患者さんや家族、開業医の先生ら90人が参加されました。





 開会挨拶に併せて、武田病院脳卒中センターの滝和郎センター長が『脳卒中とは、その予防は』と題して講演。滝センター長は、生体肝移植で提供した人の肝臓は再生するが、脳梗塞などで障害を受けた脳神経細胞は蘇らないことから、脳を守ることの大切さを強調し、「くも膜下出血など脳卒中は、回復できるかどうかは時間との勝負なので、24時間体制の脳血管専門施設で治療を受けることと、定期検診などで血圧の管理を」と訴えました。

 『脳血管障害と認知症』については、神経脳血管センターの八木秀雄副院長が担当。八木副院長は、認知症にはアルツハイマー型が50%、脳血管性とパーキンソンが各20%に上り、「小さな脳梗塞がたくさんある場合や、大脳白質に広範囲の虚血性病変、認知機能に重要な役割を果たしている前頭葉や視床下部などに梗塞があると発症しますが、無症候性の脳血管障害でも認知症の発症が2.3倍も高まることから、糖尿病や高血圧などのリスクを無くすことが大切です」と話しました。

 第1部の最後に、栄養科の清水英都子科長は、『いつもの食事にプラス「1」とマイナス「1」~脳卒中と食事の関係』と題し、塩分摂取を控えてカリウムを含む野菜を1日350g、食物繊維が豊富な海藻やキノコ類、コンニャクが予防につながることを報告しました。

 脳卒中センターで治療の最前線で手技に当たっている西村真樹部長は、『脳卒中の治療~ACT・FAST・ゴールデンタイムを逃さないために~』のテーマで、くも膜下出血など脳出血は、脳内に滞留する血腫を取り除く治療を実施しても、マヒなど後遺症や死に至る恐れが高い点を指摘。「脳ドックなどで脳動脈瘤の状態を見極めて、瘤のクリッピングやコイル塞栓術という血管内治療で予防的に手術できますので相談してください。一過性脳虚血発作は脳梗塞への危険信号と考えることと、脳梗塞が起こってから血流再開通が可能な4.5時間以内に当院へ来てほしいのです」と訴えました。

 『早く回復したい、リハビリテーションでは何をする?』では、十条武田リハビリテーション病院脳神経外科の久保洋昭部長が、「人としての尊厳の維持と生活を楽しむためにも、脳卒中発症後のリハビリを積極的に行い、少なくとも排便排尿が自分でできるように」と強調しました。最後に、シンポジウム『脳卒中の予防のために』では、講演者全員が会場からの「納豆が脳梗塞予防にいいと言われていますが本当ですか」「軽い脳梗塞から3年になるが、薬を止めてもいいでしょうか」といった質問にわかりやすく回答しました。