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Iru miru 健康通信 山科武田ラクトクリニック 所長 田巻 俊一 「コーヒー好きのあなたに」

2024/08/30 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


tamakidr_01.jpgのサムネイル画像山科武田ラクトクリニック 所長 田巻 俊一
「コーヒー好きのあなたに」

 コーヒー愛好家にとって、コーヒーは至福の時を与えてくれる「人生の友」です。毎日のコーヒーは有害なのでしょうか?それとも心臓の健康と長生きをもたらすのでしょうか?

 カフェインの体への影響はいろいろありますが、多くの研究で、コーヒーを摂取する人は摂取しない人に比べてさまざまな疾患において低リスクであることが示唆されてきました。例えば、毎日の2、3杯のコーヒー摂取は、心疾患の有無に関わりなく、心疾患や危険な不整脈のほかに死亡リスクの低下とも関連する報告がされています。また、このリスク低下は、コーヒーの種類(豆を挽いたコーヒーかインスタントコーヒーかカフェイン入りかカフェインレスか)に関わらないとの報告もあります。

 最近、新たにいくつかの興味深い研究報告がありました。1つ目は日本発の観察研究で、1日2杯以上のコーヒー飲用で、飲用なしと比較したところ、重症の高血圧(160/100mmHg以上)の人では心血管死亡リスクが2倍になる可能性があるとの報告です。高血圧のない人や軽症高血圧の人では、コーヒー大量摂取と心血管死亡リスクの上昇の関連は見られませんでした。ちなみに緑茶の摂取は、どのカテゴリーの高血圧でもリスクの上昇とは関連しませんでした。

 2つ目は米国からの報告で、コーヒー摂取と不整脈の一種である心房性期外収縮発生頻度の関連を検討したところ、心房性期外収縮の発生頻度はコーヒーを摂取した日と摂取しない日で有意差は認められなかったとの結果でした。

 コーヒーが人体に及ぼす影響は人それぞれである可能性が高いと思われますが、以上の報告から、重度の高血圧の人以外は適量(2、3杯)のコーヒーは無害で、むしろ心臓の健康にベネフィット(恩恵)をもたらすかもしれないというコーヒー愛好家には安心できる状況です。

 さあ、今日も愛情のたっぷり入ったコーヒーを楽しんで、一日がんばりましょう。