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京都新聞朝刊 医療のページ 武田病院 循環器センター長 木下 法之「心不全」

2024/09/02 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

iryo08_kinoshitadr.jpg心不全」 初期からの緩和ケアも考案

武田病院 循環器センター長 木下 法之

 

心不全とは。

心臓の動きが悪くなり、息切れやむくみが出て、悪化すると命に関わる病気です。進行すると、横になって寝ようとした時に息苦しくなるなどの症状も出てきます。高齢者に多く、今後増えてくると予想されています。心不全には、原因となる病気があります。高血圧や狭心症、不整脈、心臓弁膜症などで、特に心房細動という頻脈になる不整脈が近年増えています。一度よくなっても繰り返し悪くなっていくのも特徴です。

治療は。

心不全が起こって一般の内科にかかると、内服薬が処方され、水分制限を指導されます。原因疾患を見つけて治療することも重要で、そのためには専門医にかかる必要があります。専門病院では医師のほか、栄養士や心臓リハビリ担当の療法士、専門の資格をもった看護師や薬剤師などが関わってチームで支えます。
心不全は生命に関わる疾患のため、近年は緩和ケアを取り入れる医療機関も増え始めています。終末期に一気に悪くなるがんの緩和ケアとは異なり、初期から行う心不全のための緩和モデルが考案され、急性期の苦しさを和らげる緩和ケアを受けた人が、再び退院されるケースもあります。

気を付ける点は。

何よりも、心不全を繰り返さないことです。何度も症状が出るうちに、難治性の(治りにくい)タイプになっていき、命を縮めます。心不全を起こしたら、繰り返さないために内服や水分・塩分制限、心臓リハビリも重要になります。また、原因疾患が治療できれば心不全が進行する危険性も下がるため、原因を見つけ治療することが予防につながります。息切れやむくみ、急激な体重増加などの症状があれば、早めに専門医を受診してください。