【"がん免疫療法"と"ハイパーサーミア"の併用】
2024/04/30 トピックス たけだ膠原病リウマチクリニック
がん免疫療法とハイパーサーミアの併用
がん免疫療法にはハイパーサーミアの併用が効果的
前回のトピックスで、「ハイパーサーミア(電磁波温熱療法)」の抗がん効果のひとつに
"がんに対する免疫機能を上げる"ということを述べました。
実際に、「化学療法+ハイパーサーミア」を受けられた患者さんと、
「化学療法+ハイパーサーミア+当院での がん免疫療法(樹状細胞WT-1ペプチドワクチン療法)」の
3種類の治療を併せて受けられた患者さんとでは、明らかに治療成績が異なることがわかっています。
化学療法だけでなく、がん免疫療法にハイパーサーミアを併用することで、
より効率的ながん免疫が誘導されることが基礎的検討あるいは臨床データで
明らかになっています。
がん免疫療法の多くは自由診療で行われますので、がん免疫療法をお受けになる際は、
ぜひハイパーサーミアを併用することをお考えください。
「化学療法+ハイパーサーミア」と「がん免疫療法」併用の有効性(治療成績)
今回は切除不能膵臓癌(ステージ4)の患者さん25人の治療成績をお示しいたします。
「標準化学療法+ハイパーサーミア」を受けられた方と、
「標準化学療法+ハイパーサーミア+樹状細胞WT-1ペプチドワクチン療法」を受けられた方
との二群間での治療効果の比較を円グラフにしています。
「CR」:治療期間中に完全に腫瘍が消失した症例)
「PR」:30%以上腫瘍が縮小した症例
「SD」:治療期間中に腫瘍の増大も縮小も認めなかった症例
以上3つが、腫瘍の発育をコントロールできたと考えられる症例=「病勢コントロール」
「PD」:治療を行なってもがんの発育を制御できなかった症例
標準治療とハイパーサーミアを併用した場合(左グラフ)、病勢コントロール率(CR+PR+SD)は55%になりますが、
そこに樹状細胞WT-1ペプチドワクチン療法を併用すると(右グラフ)
病勢コントロール率(CR+PR+SD)は、73%に大きく増加します。
この18ポイントの増加は、患者数にすればかなりの数になります。
ハイパーサーミアをがん免疫療法に併用することの有効性がよくわかる結果です。
がん免疫療法とハイパーサーミアの併用療法
高齢ですとか、化学療法は副作用が強くて受け入れられない患者さんも多数おられますが
そのような患者さんには、当院では
「がん免疫療法(樹状細胞WT-1ペプチドワクチン療法)」と「 ハイパーサーミア」の
2種類の治療を行っており、良好な治療効果を認める症例も多数見受けられます。
がん免疫療法は、一部の免疫チェックポイント阻害剤や
血液がんに対する細胞療法以外は、自由診療 での治療となります。
ぜひ治療効果の増強が期待できるハイパーサーミアを併用していただきたいと考えています。
当院では、がん免疫療法とハイパーサーミアの両治療法を施行していますので、
効率の良い併用療法が可能です。
武田病院グループ免疫遺伝子医療部門センター長 古倉 聡
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