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京都新聞朝刊 医療のページ 宇治武田病院 副院長 宮嶋 敬「膵臓がん」

2023/10/26 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

miyajimadr_03.jpg膵臓がん」 年1回、エコー検査受けて

宇治武田病院 副院長 宮嶋 敬

 

症状、検査方法は。

膵臓(すいぞう)は胃の後ろにある細長い臓器で、膵液(消化酵素)やインスリンなどのホルモンを分泌しています。がんができても初期は自覚症状がなく、腹部膨満感や黄疸(おうだん)、背中や腰の痛みといった症状が現れる頃にはかなり進行しています。また、血糖値を下げる働きが弱くなっていくため、糖尿病になったり、治療中の糖尿病が急に悪化したりすることでがんが見つかる場合もあります。異常を発見するには、まず超音波(エコー)検査を行います。エコー検査は体の負担が少ない点がメリットですが、精度にばらつきがあり、肥満体形の人などはうまく画像に映らないこともあります。50代以上で不安があれば、人間ドックなどの機会にCT検査を受けてみるとよいでしょう。

治療について。

主な治療法は手術と放射線治療、薬物療法があります。膵尾(すいび)部(膵臓の先端の細い部分)など切除可能な部分にできたがんは手術で取り、切除後はインスリンを注射で補います。膵臓がんは、発見時にはすでに他の臓器などに広がって切除が難しくなることも多いため、そのような場合は主に薬物治療を行います。新しい種類の抗がん剤が使えるようになるなど、薬の選択肢も少しずつ増えてきています。

気を付けることは。

食生活の欧米化などにより、膵臓がんの患者数は増加しています。脂っこい食事やお酒が好きな人、肥満気味の人は特に注意して、年に一度はエコー検査を受けてください。膵嚢胞(すいのうほう)や慢性膵炎がある人なら、半年に一度は検査しましょう。がんの治療中でも、何事も制限しすぎると精神的なダメージが蓄積してしまいます。毎日病院へ通い続けるわけではありませんから、たまには旅行へ行くなど、好きなことを我慢せず楽しんで免疫力を高めましょう。