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Iru miru 健康通信 たけだ膠原病リウマチクリニック 所長 三森 経世 「関節リウマチ」

2023/08/11 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


irumiru_mimoridr.jpgたけだ膠原病リウマチクリニック 所長 三森 経世
「関節リウマチ」

 関節リウマチとは?

 関節が痛む病気を広く「リウマチ性疾患」と呼び、関節リウマチはその代表です。人口の約1%に発症するとされ、男女比は1:3で女性に多く、40~50歳代に好発しますが、高齢発症も増えています。関節の内面を覆う滑膜と呼ばれる組織が炎症を起こして関節の腫れと痛みを生じ、進行すると関節の軟骨や骨を破壊して変形していきます。また、リウマチ肺と呼ばれる肺病変、皮下結節、血管炎などの関節外症状を合併することも少なくありません。

 原因は?

 まだわからないことも多いですが、遺伝的要因に、ウイルス感染、歯周病、腸内細菌の変化、喫煙などの環境因子が加わって免疫系に変調をきたし、自分自身に対する免疫反応(自己免疫)が起きてしまい、炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質が産生されて関節滑膜に炎症を引き起こすと考えられています。

 症状は?

 どの関節にも腫れと痛みは生じますが、特に手の関節炎(手指の第2・第3関節と手関節)は90%以上でみられます。朝起床時に手がこわばって力が入らない「朝のこわばり」は初期症状となることが多いです。これらが長く続くと要注意ですが、同じような症状をきたす病気は多いので、しっかりと専門的な診断を受けることが大切です。

 治療は?

 薬物療法が中心です。リウマチ治療薬の進歩はめざましく、効果の高い治療が可能です。まずは免疫を抑制・調整する抗リウマチ薬を用います。その中でも週1回服用するメトトレキサートは患者さんの8割が使用しています。それでもよくならない場合は、炎症の原因分子である炎症性サイトカインをピンポイントで抑制するバイオ製剤(注射薬)や炎症性サイトカイン産生を抑えるJAK阻害薬(内服薬)を用います。これらの薬は分子標的薬と呼ばれます。リウマチは一生付き合わねばならない病気ですが、早期発見・早期治療で痛みをなくすだけでなく、関節の変形を防いで快適に生活ができる「寛解」を目指します。「あれ?」と思ったらなるべく早く専門医の受診をお勧めします。