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京都新聞朝刊 医療のページ 武田病院 脳卒中センター部長 定政 信猛「脳梗塞」

2022/09/29 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

sadamasadr_202209.jpg「脳梗塞」 「ACT-FAST」が大切

武田病院 脳卒中センター部長 定政 信猛

 

脳梗塞とは。

脳卒中の一つで、脳の血管が詰まり周辺の神経細胞へ栄養が行き渡らず、細胞が死滅する病気です。脳の神経細胞は脳に血液が循環しなくなると1分間に190万個死滅し、1分あたり3週間寿命が縮むといわれます。脳の深い部分にある細い動脈が詰まるラクナ梗塞、太い動脈が動脈硬化で狭くなりそこに血栓が詰まるアテローム血栓性脳梗塞、心臓で生じた血栓が脳に運ばれて詰まる心原性脳塞栓症の大きく三つに分類されます。ACT-FASTといってFace(顔)は顔のまひ・片側がゆがむ、Arm(腕)は腕に力が入らない・しびれる、Speech(言葉)は言葉が出ない・ろれつが回らないという症状が一つでも出たら、Time(時間)が大切です。すぐ救急車を呼んでください。

治療とリハビリ。

適応がある場合、発症から短時間なら血栓を溶かす薬を投与します。さらに、発症から最長24時間以内であれば、ステント(筒状の金網)で血栓を回収する血栓回収療法を並行して行います。血栓回収療法を受けた約4割弱の患者が元の生活に戻れたという統計もあり、治療方法は近年進化をしています。脳梗塞後のリハビリは発症の翌日から行い、軽症なら2週間程度の入院後に自宅訓練、長引く場合はリハビリ専門病院へ転院して回復に努めます。

注意すべきこと。

血圧やコレステロール値が高い人、飲酒喫煙するなど動脈硬化の可能性が高い人は要注意です。塩分を控えて節酒禁煙し、30分程度の軽い運動を週3回以上続けると良いでしょう。死亡率は低いですが、その分治療後の後遺症に悩む方が多く、介助が必要な病気です。脳卒中に24時間対応できる一次脳卒中センターの認定病院では、脳卒中相談窓口の設置を進めています。治療後のリハビリなど悩みがある人は相談してください。