Iru miru 健康通信 武田病院健診センター 所長 桝田 出 「今だからこそ、健診を受けましょう」
2022/03/18 メディア 武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
武田病院健診センター
所長 桝田 出
「今だからこそ、健診を受けましょう」
新型コロナウイルス感染症による自粛生活も長くなり、ご自身の新しい生活様式ができた方も多いのではないでしょうか。健診は体の状態を見つめ直す良い機会ですが、コロナの影響で健診を受ける方が減少しています。日本対がん協会の調査では、2021年のがん検診の受診者数は、コロナ前の2019年より17%も少なくなっています。その結果、2020年にがんと診断された方は、2019年よりも胃がん13.4%、大腸がん10.2%、乳がん8.2%減少しました。特に早期がんの診断数が落ち込んでおり、今後は進行したがんが見つかるケースの増加が懸念されています。コロナ禍でもがんの発生率は変わらないことから、コロナが心配で健診や精密検査を控えたことや集団検診の中止が影響しています。
高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満など生活習慣病の管理は、コロナの重症化リスクを下げるためにも重要です。規則正しい生活を送るようになり生活習慣が改善した方がいる一方で、運動する機会が減って体重増加や検査値が悪化した方も少なくありません。感染を恐れて外出を控え過ぎると、基礎疾患の悪化、認知機能や筋肉量の低下などが危惧されます。お一人や限られた人数での散歩などは感染リスクが低い行動です。1日11時間以上座っている人は4時間未満の人より、死亡リスクが40%も高まると言われています。在宅勤務と片道1時間の通勤の消費エネルギーの差は1日約350kcalになり、在宅勤務が続くと1か月で体重が1kg増加する計算になります。
武田病院健診センター、山科武田ラクト健診センター、宇治武田病院健診センター、武田総合病院健康管理センターなどで行っている人間ドックでは、一度にがん検診が受けられるほか、専門スタッフによる生活改善や治療のアドバイスも行っています。がんや生活習慣病はコロナの収束を待ってくれません。人間ドック・健診を受けて、病気の早期発見やコロナに負けない新たな生活様式を身につけてください。