Iru miru 健康通信 百万遍クリニック 院長 重富 博之 「肩こり」
2022/02/18 メディア 武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
百万遍クリニック
院長 重富 博之
「肩こり」
肩がだるい、張っている、痛い・・・それ肩こりです。肩こりには、頭と首と肩をつないでいる筋肉が関係しています。人間の頭の重さは体重の約10~15%、腕の重さは体重の5%といわれており、たとえば体重50kgの場合、頭の重さは5~6.5kgにも及びます。これは、500mlのペットボトル約10本の重さに相当します。重い頭や腕を支えて立っているだけで、緊張し続けています。緊張が続くと疲労物質がたまり硬くなります。それが血管を圧迫して血液の循環を悪くしたり、末梢神経を傷つけたりして、こりや傷みを起こします。
頸椎は前方に向かって緩やかなカーブを描いているのが本来の形ですが、スマホやタブレットなどを見たり、デスクワークで長時間同じ姿勢で座っていると緊張が高まり、そのカーブが失われいわゆるストレートネックになります。ストレートネックは、首の前側の筋肉が緊張している状態であり、この姿勢を長時間続けると、肩こりを誘発します。特に女性は男性に比べて首の筋肉が弱いため、半数以上がストレートネックであるともいわれています。
背骨の間には「椎間板」があって、クッションの役割を果たしていますが年を取ると、このクッションが硬くなり「頸部脊椎症」といわれる状態になり、これも首や肩の痛み・こりの原因になります。
そのほか、「五十肩」の場合や、狭心症、心筋梗塞、胃潰瘍、目の病気や虫歯、不安・イライラなどのストレスが肩こりを誘発するともいわれています。
痛みが強い、左右どちらかに広範囲に起こる、ほかに頭痛やめまい、吐き気、手足のしびれなどがあるという場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。他の疾患が隠れていることがあります。
当院では頸椎のレントゲンやMRI検査、エコーでの精査を行い早期に診断をつけることが可能です。原因が筋肉の緊張である場合には筋肉の付け根にエコーを利用して正確な鎮痛剤の注射を行い症状を緩和させることも可能です。