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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 院長 三森 経世「関節リウマチ」

2022/02/24 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

20220224ijinkaimimoridr.jpg「関節リウマチ」 完治でなく、「寛解」目標に

武田総合病院 院長 三森 経世

 

関節リウマチとは。

膠原(こうげん)病の一つで、全身の関節が腫れて痛む病気です。30~50代の女性に多く見られます。関節の内面を覆う滑膜が炎症を起こし、強い痛みと腫れが生じます。全身のどの関節にも炎症が生じますが、中でも手首、指の付け根と第2関節によく発症し、90%以上が手に痛みを訴えます。原因は、遺伝的素因とウイルスや細菌、性ホルモン、喫煙など後天的な環境的要因が加わって起きるといわれています。

症状は。

初期は起床時に左右対称に手がこわばり、力を入れにくい状態になり、患部が腫れて痛みが出ます。進行すると徐々に関節組織が破壊され、患部が変形していきます。関節破壊は特に発症から2年くらいで早く進むと考えられているので、早期発見と早期治療が大切です。不調が続くようなら、リウマチ科、膠原病内科、整形外科や日本リウマチ学会認定の専門医のいる病院にかかってください。

治療は。

リウマチの原因となる免疫異常を食い止める免疫抑制薬や抗リウマチ薬を投与します。その効果が思わしくなければ、炎症の元になる炎症性サイトカインをピンポイントで阻害するバイオ製剤の注射、あるいはサイトカインの刺激を遮断して炎症を抑えるJAK阻害薬を毎日服薬します。以前に比べて治療後の健康寿命は着実に伸びています。ただし完治は難しく、症状が消えて健康な時と変わらない生活を送れるようになる「寛解」を目指すことが治療の目標です。再発を防ぐため痛みがなくなっても治療をやめないことが重要です。また、治療中は免疫を抑えているためウイルスなどの感染への抵抗力が落ちる可能性があるため、コロナ禍の現在、特に感染対策には気を付けてください。ワクチン接種も推奨します。