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京都新聞朝刊 医療のページ 宇治武田病院 皮膚科医長 小嶌 綾子「乾皮症」

2021/11/25 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

u_kojimadr.jpg「乾皮症」 入浴はぬるめ、肌刺激せず

宇治武田病院
皮膚科医長 小嶌 綾子

 

乾皮症とは。

一般的には乾燥肌と呼ばれるもので、皮脂欠乏症ともいい、皮膚の水分をキープしてくれる皮脂が減って肌がカサつく、角質が剥がれてふけが出る、かゆいといった症状が現れます。進行すると皮膚が硬くなって、ひび割れや皮脂欠乏性湿疹に至ります。患部をかくとさらに増悪し、かき傷から細菌が入って感染症を引き起こすこともあります。原因は加齢や空気中の湿度の低下、入浴時の熱すぎるお湯や、洗浄力の強い石けんの使用などです。アトピー性皮膚炎などの疾患の一症状としても見られますが一般的に高齢者によく見られます。患部は主に背中、腰、肩、すねです。糖尿病・人工透析の方は皮膚が乾燥しやすく、乾皮症になりやすいです。

治療は。

症状や部位に応じて、ワセリンのほか尿素配合クリームやヘパリン類似物質クリーム、湿疹が生じている場合はステロイド外用剤を処方します。また乾燥の原因を防ぐための生活指導や、抗ヒスタミン剤の内服を併用することもあります。症状が軽ければ市販の保湿クリームを風呂上がりや着替え時などの朝夕2回塗ってください。保湿剤によって皮膚に被膜を作ったり、皮膚に水分を与えます。セルフケアで2週間たっても強いかゆみや湿疹が治まらないなら、使用している保湿剤を持参し皮膚科を受診してください。

気を付ける点は。

暖房器具を使用する際は、加湿器も使って部屋を乾燥させないように。入浴はぬるめのお湯に漬かり、体を洗うときは低刺激せっけんを手かガーゼに付けて優しく行いましょう。ナイロンタオルで強く洗うのはやめましょう。また、化学繊維の衣類や縫い目が患部に当たる衣類は避け、ゆったりした天然素材の服を着てください。湿度が低下する秋冬は乾皮症も増加するため、早めにケアしましょう。