新着情報

  1. トップ
  2. 広報・読み物
  3. 新着情報
  4. 京都新聞朝刊 医療のページ 十条武田リハビリテーション病院 整形外科部長 山元 輝明「人工関節置換術」

京都新聞朝刊 医療のページ 十条武田リハビリテーション病院 整形外科部長 山元 輝明「人工関節置換術」

2021/08/26 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

j_yamamotodr.jpg「人工関節置換術」 手術すれば20年快適に使用

十条武田リハビリテーション病院
整形外科部長 人工関節センター副センター長 山元 輝明

 

人工関節置換術とは。

膝関節や股関節の軟骨がすり減って血流が悪くなり、骨が壊死(えし)して強く痛むのが変形性膝関節症、変形性股関節症です。この軟骨や骨を削り取り、チタン合金、セラミック、ポリエチレンなどでできた人工関節に換える治療が人工関節置換術です。関節の上下どちらかを換える部分置換術と両方換える全置換術があり、脱臼のリスクや原因により選択できます。近年は素材が良くなり耐用年数も伸び、一度手術すれば約20年は快適に使用できます。

適応の目安は。

手術は痛みの解消にとても有効です。動かすとひどく痛み、夜も眠れないなどの日常生活に支障を来す人、ブロック注射や装具での対症療法では間に合わない人や、スポーツをしたいといった活動性の高い人で手術を希望される方は、検査をし、よく相談して手術の可否を決定します。40代後半から50代の患者も増加していますが、最も多いのは70代、中には90歳を超えた人もいらっしゃいます。ただし免疫力の下がっている人や、ステロイド剤を投与している人は、術後の感染症リスクが高くなるので注意が必要です。

注意する点は。

術前より無理のない程度に筋力維持に努めてください。口内の菌が体中に回って感染症を引き起こす恐れがあるため、手術前には歯の治療を済ませましょう。手術は約2時間で終わり、翌日からゆっくり歩くことからリハビリを開始します。リハビリは早く始めるほど、筋力の低下を防いで日常生活に戻りやすくなります。術後、股関節は脱臼しないよう注意し、しゃがみながら体をねじるような動きを避け、膝関節は膝をついたまま動くことを避けてください。どちらも和室より、椅子・テーブルの生活がお勧めです。安定していても習慣的に検診に来ていただくことが大切です。