Iru miru 健康通信 北山武田病院 皮膚科 医長 北嶋 渉 「AGA」
2021/10/15 メディア 武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
北山武田病院 皮膚科 医長 北嶋 渉
「AGA」
どんな病気なの?
AGAとは男性型脱毛症(androgenetic alopecia)の略称であり、一般的な男性の薄毛のことです。生え際と頭頂部を中心に薄くなり、症状が進行すれば全体的な薄毛になります。原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモンです。後頭部と側頭部はジヒドロテストステロンの影響をほとんど受けませんので、その場合はAGAではない可能性があります。ほとんどは男性であり発症年齢は30~40代が多いです。診断は視診でします。血液検査や毛髪検査ではわかりませんので注意が必要です。
病気との向き合い方は?
シャンプーの方法や食事、睡眠など、生活習慣の乱れで発症しているわけではありません。遺伝の要素はありますが、誰にでも起こる可能性のある病気であり、毛穴のよごれやつまりも関係ありません。マッサージなど自己流でヘアケアしてもあまり改善しません。診断治療を希望される場合は、AGA治療をしている病院を受診しましょう。
治療法や日ごろからの注意点、予防について
原因ホルモンを減少させる飲み薬が中心で自費治療となります。1日1回6カ月ぐらい飲むと半数ぐらいの方が症状の改善を実感しますが、残念ながら進行予防程度の効果しか出ないことも多いです。飲むのを中断するとまた原因ホルモンが増加してくるため、効果を持続したいのであれば永久的に飲むことになります。頭皮のかゆみ、フケなどの症状があれば、飲み薬の効果が出にくい可能性もありますので、その場合は一般皮膚科での保険治療が必要になることもあります。現在のところ、血液遺伝子検査や毛髪遺伝子検査などでAGAの発症を予測はできず、予防方法もありません。病院以外での個人輸入による薬剤入手は、偽薬もあり効果が出ないばかりか、重大な副作用が発生するリスクもあるので注意が必要です。当院では、厚生労働省認可の安全性かつ効果の高い飲み薬を中心に治療しています。症状が安定すればオンライン診療も可能となっています。