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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆「変形性膝関節症」

2021/07/30 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

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「変形性膝関節症」 膝を伸ばす運動を継続的に

武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆

 

主な症状は。

変形性膝関節症は、膝の軟骨が傷んで痛みや変形が出る病気です。軽症では、膝がこわばり、立ち座りやしゃがみ込みなど動作の始まりで痛みます。中等症になると歩くと少し痛くなり、重症では骨のすきまがかなり狭まり、歩行や階段昇降に支障が出ます。膝が真っすぐ伸びなくなる(床に足を伸ばした状態で、膝の裏と床との隙間が空く)と痛みが出やすいので、早めの受診をおすすめします。加齢や肥満、激しい運動などで膝に過度な負担がかかると起こり、女性の方が男性より多いことが分かっています。軟骨は、歯と同じで一度傷むと元に戻りませんが、症状は改善できます。

治療法の選択は。

軽症や中等症では基本的には手術せずに保存療法を選びます。日本人はO脚が多く、内側に体重がかかりすぎるのを防ぐため外側を高くした足底板を利用したり、症状によって杖などを利用します。薬物療法では、ヒアルロン酸注射が副作用も少なく効果的です。軟骨の細胞を活性化させ、軽い鎮痛作用もあるため5回ほど注射して効果があれば続けます。また、非常に痛みが強い時はステロイド注射も効果的です。手術療法では、中等以上で比較的若くて変形が少なく今後も運動を続けたい人は骨を切り変形を矯正します。重度の変形で痛みが強い場合は人工関節を選びます。

予防法は。

膝への過度な負荷を避け、日頃から筋肉を鍛えながらの減量を心掛けましょう。骨や軟骨はじっとしていると弱くなるため、無理のない範囲で動かすようにしましょう。20分程度の歩行は膝の軟骨によく、軽いスクワットも効果があります。靴選びも重要です。足底がしっかりしていて衝撃を吸収する靴だと、痛みも緩和される可能性があります。