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京都新聞Iru miruに「多汗症と脇汗」が掲載されました

2021/06/21 メディア 柳馬場武田クリニック


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


asanumadr.png柳馬場武田クリニック 所長 浅沼 光太郎 「多汗症と脇汗」

 多汗症とは?

 体温上昇時に汗をかいて体温を一定に保つように人体は出来ています。この汗が「病的に多い」状態を「多汗症」と呼びます。多汗症には全身の汗が増加する全身性多汗症と、手掌・脇など体の一部に汗が増える局所性多汗症があります。なお汗の成分自体は普通の汗と一緒です。

 他の病気の可能性は?

 多汗症は若い時から汗が多かったという原発性多汗症(他に原因となる病気がない)と他の病気が原因で汗が過剰に出る二次性多汗症にも分かれます。若い時はなかったのに急に汗が多くなったと言う場合は、二次性多汗症として甲状腺をはじめとする内分泌疾患や心臓疾患、脳神経の病気を調べる必要があるかもしれません。なお脇・手掌などの原発性多汗症は意外と多く人口の5%と言われています。

 病気との向き合い方は?

 半裸で水辺に住み、すぐ魚を取りに潜る生活でしたら汗が多くても困らないですが、現代の日本なりの生活をしていると、流れるように汗をかく、脇に汗染みが出来る、特にベージュやライトグレーの服が着られない、匂いが気になる、服がすぐ黄ばむなどはかなり鬱陶しいことです。出来るだけリラックスして生活したり、通気性の良い衣服を着るなど以外の対処は、軽いものなら市販の制汗スプレーである程度改善感が得られたり、皮膚科に塩化アルミニウム含有のクリーム、ローションを処方してもらったりもします。

 ひどい脇汗について

 ひどい脇汗(腋窩多汗症)についてはボツリヌス製剤(ボトックス®︎)が保険適応されています。脇に20箇所くらいツベルクリン検査時のような皮内注射をして汗の分泌をブロックします。当院でも実施していますが有効性はかなり高く、また腋臭(わきが)があればそれも匂わなくなったと喜ばれています。ただ注射の効果は減弱していきますので4~8カ月毎に再注射が必要で各回保険3割負担で約2万3千円の自己負担になります。なお手掌の汗についても原理的にはボツリヌス注射は有効なのですが手掌への注射はとても痛くて現実的でもなく保険適応も通っていないのが実情です。限られた医療機関にて交感神経遮断術を適応されることがあります。