Iru miru 健康通信 百万遍クリニック 院長 重富 博之 「上腕骨外側上顆炎」
2021/05/26 メディア 武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
百万遍クリニック 院長 重富 博之 「上腕骨外側上顆炎」
あ、肘、痛っ?
上腕骨外側上顆炎です。 雑巾を絞った時やペットボトルの蓋を開ける時、ドアノブを回すとき、何かを片手で持ち上げるときなどに、肘の外側から前腕にかけて痛みが走る事がありませんか? 肘の外側上顆炎です。通称「テニス肘」と言われる状態です。(ゴルフ肘という内側が痛む状態も別にあります。) テニスをはじめ、バトミントンや卓球といったラケットスポーツを行う人に多く見られるためこのような総称になっています。 また日頃の生活や仕事での上肢の動きに関わるストレスでも起こります。 肘の外側には長撓側手根伸筋、短撓側手根伸筋、総指伸筋と言われる手首を背側に伸ばす筋肉、指を反らす筋肉の付着部があります。ここに加齢性の変化と日常のストレスが加わり細かい腱の皮下断裂が起こり上手く治りきらないまま、さらに動かす事により炎症を起こした状態です。 手首を背側に反らす動作やいすを片手で持ち上げたり指を反らすのに抵抗をかけたりする動作で痛みは誘発されます。
どんな治療なの?
治療にはまずは局所の安静や、手首や指のストレッチを行います。 ストレッチの方法は、 1:腕を下に向けて伸ばし肘を回して手のひらを後ろ側に向けます。その状態から手首を手のひら側に曲げてください 2:その位置から中指の先をもう片方の手の親指と人差し指で軽くつまみ、手首がより深く曲がる位置まで引っ張ります 痛みを感じたら無理をしないでください。 その他には外用薬やシップの使用、肘の筋肉のストレスを減少させるテニス肘バンドの装着、痛みが強い時は炎症を抑えるために局所へ麻酔入りステロイド注射などの治療があります。 よほどひどい場合には筋膜切開、切除術等の手術を行うこともありますが早期に対応すれば改善することがほとんどです。 一度発症するとなかなか治らずに慢性化するケースも少なくありません。 当院では局所の炎症状態を見るためにエコーやMRIでの画像診断を行い早期に発見することが可能です。