Iru miru 健康通信 百万遍クリニック 院長 重富 博之 「ばね指」
2021/01/22 メディア 武田病院グループ
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
百万遍クリニック 院長 重富 博之 「ばね指」
ばね指ってなに?
朝起きたら手の指が第2関節辺りからまっすぐ伸びない! 反対の手で無理やり伸ばせばまっすぐ伸びるけど指の付け根あたりに痛みとひっかかりがある―。
これ、ばね指です。手にはそれぞれの指に手のひら側や手の甲側に曲げる筋と伸ばす筋があります。これが伸び縮みすることによって、指が曲がったり伸びたりするようになっています。
特に手のひら側には指の関節をまたぐように腱鞘(けんしょう)というトンネル状の鞘(さや)が存在して、腱が骨から離れずに滑らかに動くよう支える滑車のような働きをする組織があります。指の曲げ伸ばしのし過ぎではこの腱鞘が炎症を起こして膨らんでしまい、鞘の出入口で筋の引っ掛かりが生じてこの引っ掛かりが取れるときに「ばね現象」と呼ばれる症状を起こします。
どうして起こるの?
原因はパソコンのキーボードやマウスなどで反復的な操作をする人、スマホを長時間操作する人、ピアノなど指を多く使う楽器を演奏する人、グリップやボールなどを握るようなスポーツをする人など指をたくさん使い過ぎる人に多くみられます。片手の親指ばかりを使うスマホの操作を、つい夢中になって長時間続けてしまうと、親指が酷使され、ばね指の原因になりがちです。
どうやって治療するの?
治療は、保存療法が中心です。患部に湿布、軟膏などの外用消炎鎮痛薬の使用や、ギプス、副子で固定して原因となった使い過ぎを防ぎ安静を保つようにします。なかなか症状が収まらないときには炎症を抑えるステロイド注射を行うこともありますが頻回に行うと腱自体が切れてしまうこともあります。保存療法を数ヶ月続けても改善しなかったり、再発したりする場合は、局所麻酔でこの腱鞘を切開する日帰りでできる手術もあります。当院では関節エコーで腱鞘の肥厚も確認できますので何かあれば早めにご相談をしてください。