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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 院長 三森 経世 「関節リウマチ」

2020/12/10 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

武田総合病院 院長 三森 経世 「関節リウマチ」

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近年、血液検査で早期診断

症状は。

膠原(こうげん)病の一つで、遺伝的素因と環境的素因が合わさって起きる自己免疫疾患です。人口の約1%は関節リウマチを発症するといわれており、30~50代の女性に多く、高齢者特有の病気ではありません。関節の内面を覆う滑膜(かつまく)が炎症を起こして腫れと痛みが生じ、進行すると関節の軟骨や骨の組織が破壊されるので、手足が変形していきます。また、肺や血管に影響が及ぶことがあり、間質性肺炎の原因にもなります。

自覚症状は。

指の第2・第3関節や手首を中心に、肘、肩、膝、足など、全身の関節が腫れて痛みます。朝の数時間、手がこわばって物がつかみにくい状態になることもあり、これらが続くと要注意です。近年は、血液検査で関節リウマチに特有の抗CCP抗体を見つけることで、早期に診断ができるようになりました。

治療は。

薬物療法で症状を抑え安定した状態になる寛解を維持します。最近は鎮痛だけでなく、病態を制御する薬で大きな効果を上げています。まずは、免疫を抑制する抗リウマチ薬を投与します。それでもよくならない場合は、炎症を引き起こす原因の分子をピンポイントで抑制する生物学的製剤・分子標的薬を用います。多くの薬が開発され選択肢が増えたので、患者に合わせて効果的な治療を行います。リウマチは一生付き合わなければならない病気ですが、早期発見、早期治療で痛みをなくし、関節の変形を防ぎ、快適に生活できます。自覚症状があれば早くリウマチ専門医にかかりましょう。治療中の方は、免疫力を抑えているのでウイルスへの抵抗力が落ちています。現在の新型コロナ対策の手洗い、マスクの着用、3密を避けることを守り、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種を必ず受けてください。