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京都新聞朝刊 医療のページ 宇治武田病院 放射線治療センター長 岡部 春海 「放射線治療」

2020/09/24 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


202009_03.jpg宇治武田病院 放射線治療センター長 岡部 春海 「放射線治療」

前立腺がん、ほぼ9割根治

放射線治療とは。

頭から足のつま先まで、あらゆる臓器に対して治療が可能です。強度変調放射線治療機「トモセラピー」は、腫瘍(しゅよう)に限局して放射線を照射するため、正常組織への影響を抑えることが可能です。副作用や合併症が少なく、体への負担が軽減できます。

前立腺がんと放射線治療について。

2007年から12年間で治療した約2千例の症例を分析した結果、一番多かったのは1066例の前立腺がんでした。そのうち放射線治療主体の根治症例は930例に上ります。前立腺はぼうこう、直腸に挟まれており、それらの粘膜に放射線が当たると照射後に潰瘍になる可能性がありますが、トモセラピーでは副作用を最小限にして根治させることができます。

がん予防は。

何より大切なのは、免疫力を上げてがんを発症させないこと、再発を防ぐことです。そのために必要な生活習慣は、早寝早起き、腹八分で食べ過ぎない、毎日快便、毎日運動、よく笑う、体を冷やさないなどです。36.5度の体温が1度下がるだけで免疫力は40%下がるといわれています。免疫アップのために、ショウガやニンジンなど体を温める食材を取り、夜10時就寝、朝6時起床を心掛けましょう。動物性タンパク質や脂肪、パンや麺類などの糖質の過剰摂取も発がんの原因の一つと考えられています。1日のタンパク質は体重1キログラム当たり1グラムまで、ビタミン、食物繊維や抗酸化物質が豊富な旬の野菜を取り、間食・夜食は控えてください。家の掃除や庭の手入れ、歩いて買い物に行くなど積極的に一日中体を動かすことが大切です。そして、笑うことでリンパ球の一種のナチュラルキラー(NK)細胞が活性化され、がん細胞を殺すといわれています。気楽に笑い話ができる相手を見つけてください。