新着情報

  1. トップ
  2. 広報・読み物
  3. 新着情報
  4. 京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆 「変形性膝関節症」

京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆 「変形性膝関節症」

2020/08/27 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


202008_02.jpgのサムネイル画像武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆 「変形性膝関節症」

3カ月~半年間運動継続を

主な症状は。

膝関節疾患は、変形性膝関節症とスポーツ障害が大半を占めます。変形性膝関節症の初期症状は膝のこわばりで、次第に立ち座りなどの動作の開始時に痛みを感じます。その後、腫れや膝に水がたまるなどの症状が現れ、階段昇降時に痛みを生じます。進行すると歩行に支障を来し、時には安静時も痛むようになります。膝に限らず、腰や肩などの痛みを抱えたまま長期間放置すると、脳が痛みに感作されて変調を来し、原因となる疾患が軽快しても慢性的に痛みが続くことがあります。膝の痛みもこのような痛みが含まれているといわれています。

原因は。

加齢や肥満が主な原因です。国内患者は1千万人ともいわれ、60歳以上の女性が多いです。膝関節にかかる負荷は、歩行時で体重の約3倍、走ると約5~7倍といわれているので、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数値である体格指数(BMI)が30以上の方は減量してください。陸上やサッカーなどのスポーツにより慢性的に膝に負担をかけることや半月板や靭帯の損傷などが原因で、2次性の変形性膝関節症を起こすこともあります。

治療や予防は。

治療法は、薬物療法、サポーターや足底板装着、手術療法などがありますが、まずは日常生活の中で、セルフトレーニングを心掛けてください。太ももの筋肉を鍛えることが重要です。あおむけに寝た状態で膝の裏に枕を置き伸ばす訓練や、30センチぐらいの台に足を乗せて5~7秒間、少し上に上げる動作を朝晩10回ずつ行いましょう。水中ウオーキングや自転車こぎは膝への負担が少ない運動です。3カ月~半年間続けると症状が改善することが多いので継続してみてください。関節軟骨は一度傷むと再生しません。症状があれば早期に治療を開始しましょう。