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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 院長 三森 経世 「関節リウマチ」

2020/01/30 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


2019.11.28mimoridr.jpg武田総合病院 院長 三森 経世 「関節リウマチ」

生物学的製剤で寛解状態に

関節リウマチとは。

膠原(こうげん)病にも含まれる関節リウマチは、関節の内面を覆う滑膜の炎症による慢性疾患です。進行すると関節の軟骨や骨の組織が破壊されるため、痛みだけでなく関節が変形して機能障害を起こし、肺や心臓、血管などにも症状が出ることがあります。

症状は。

関節の痛みだけでなく、腫れや朝に起こるこわばりが特徴です。最初はすぐに治まりますが、徐々に症状が出る期間が長くなります。高齢者に多い変形性関節症と症状は似ていますが、病態が異なります。リウマチは手指の関節から肘、肩、膝、足など全身の関節に症状が出ますが、変形性関節症は大きな負荷がかかる膝に多いです。リウマチも高齢者に多いイメージですが、加齢に伴って軟骨が擦り減る変形性関節症と違い、30~40代の女性の発症が多く、高齢になるころには生活に支障を来すほどの機能障害が出ます。

診断や治療は。

関節リウマチの早期診断は困難でしたが、近年は保険適用でリウマチに特有の抗CCP抗体を見つける血液検査によって早期診断に役立っています。リウマチの病態が明らかになってきたことで治療法が大きく進歩し、炎症を引き起こす炎症性サイトカインであるIL-6やTNF-αをピンポイントで抑制する生物学的製剤が開発され、大きな効果を上げています。関節リウマチは一生付き合っていかなければならない病気ですが、早期発見、治療を行うことで症状が消えて安定した状態になる寛解に導くことが可能で、関節変形も防げます。治療の目的は体の免疫を抑えることになるため、感染症の予防が大切です。通常なら害のない菌やウイルスでも危険なため小まめにうがいや手洗いを行い、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは必ず受けてください。