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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 副院長 川西 昌浩「サプリメントと脳の病気」

2019/06/27 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


サプリメントと脳の病気

栄養は食べ物から取って

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武田総合病院 副院長 川西 昌浩

 

サプリメントについて。

近年、健康に関するサプリメントや食品が多く販売されています。物忘れや脳梗塞、認知症など脳の健康に不安を感じ、サプリメントを飲まれている方も多くおられると思います。しかし、偽薬と比較した大規模無作為試験では、科学的にその効果を証明されているものはありません。この事実はあまり世の中に出てこないため、情報を正しく取捨選択することが必要です。

副作用について。

二日酔い、肝臓に良いとされていたサプリメントが実は薬剤性肝炎の原因の第1位になっていたという話もあるくらいで、サプリメントの副作用については注意が必要です。サプリメントを飲むと、病的に栄養素が欠乏している方以外は、必要以上にその成分を摂取してしまうことになるため、予想外の問題が生じることがあります。例えば、タンパク質の合成に必要とされる亜鉛は、摂取し過ぎると銅の吸収力が落ちて体内バランスが崩れ、貧血や神経症状などが出現します。また、足りているものを取り過ぎると、本来、体内で生成していた成分が出なくなるフィードバックという現象が起こります。抗酸化サプリメントを飲むと、体内で抗酸化力の酵素を作らなくなってしまい、がんの発生などを促す恐れがあるといわれています。

気を付けることは。

栄養はサプリメントではなく、食べ物から取るよう心掛けてください。不老長寿の薬がないように、健康維持に王道はありません。糖尿病や肥満、高血圧にならないよう糖質・塩分を控える、たばこをやめる、軽い運動を続ける、読み書き計算(パズル)をする、趣味に打ち込むことなどが脳卒中や認知症など脳の病気を予防する一番のサプリメントになります。