地域医療連携CAD学術講演会2018を開催しました。
2018/02/09 インフォメーション 武田病院
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康生会武田病院の心疾患・循環器領域の専門医や市内の開業医が先端医療について学び合う「地域医療連携CAD学術講演会2018」(共催:第一三共株式会社、武田病院グループ)が1月27日、京都市下京区のTKP京都四条烏丸カンファレンスセンターで開かれ、活発な討議を交わしました。
市域の開業医の先生や看護師など35人が出席。特別講演Ⅰでは、岡崎医院の岡崎仁志院長が座長を務められ、『当院における80歳以上の高齢者に対する心臓大血管手術の成績』と題して、武田病院心臓血管外科の朴昌禧部長が講演。朴部長は心臓弁膜症の中でも患者にとって、激し良い痛みとともに死亡率の極めて高い、大動脈弁乖離について分析。朴部長は、近年、増加傾向にある高齢者の大動脈弁狭窄症に対する置換術について、「加齢や年齢に伴って進行するリスクが高まり、65歳以上で2%~4%がり患するという疫学的データがあるほどです」と強調しました。
また、朴部長は、「症状は血流による狭窄ですが、いったん大動脈瘤が破裂した場合は出血性ショックから死亡する可能性があり、予後も不良で5年で死に至ることが多く、たとえ症状が無くても治療をする必要があります。特徴としては女性のり患率の高いことや、若い世代では透析患者さんに発症が多い」と訴え、武田病院で大動脈瘤置換術の治療を行った245例、80歳以上は58人、最高齢92歳の患者さんに対する治療について、手術画像を示しながら詳しく報告しました。
講演Ⅱでは、循環器内科・内科まつばらクリニックの松原欣也院長を座長に、武田病院循環器センターの木下法之部長から、『CAD最近の話題~抗血栓薬の話題も含めて~』のテーマで冒頭に、循環器疾患だけでなく、下肢の静脈瘤や緩和ケアなど全身にわたって注意深く外来で対応している実態について強調。木下部長は、「冠動脈疾患(CAD)に対する治療では、ステントの片方だけに薬剤を塗布するといった第三世代の進化などが著しいものの、ステント血栓症がどうしても起ることがあります。特に、ステント留置の直後、急性期や亜急性期に血栓症が見られます」と訴えました。
質疑応答では、「術後の患者さんの訴えや悩みについて」「入院の直前まで元気だったのに突然の発症があった場合の対応」「狭窄が原因の心不全管理について」「血栓と出血の問題は切り離せないか」といった各分野の専門医からの質問が相次ぎ、朴部長、木下部長が丁寧に応答をしました。