ナーシングメッセージ

医師の介助として行っていたことを医行為として行っていく

特定行為とは
看護師の「特定行為」は、決められた研修を修了し、専門的な知識や技術を身に付けた看護師が、医師の手順書を基に決められた行為を行います。
21分野(区分)、38の医療行為が定められ、対象者ごとに医師が症状に対する手順書を記載し、研修を修了した看護師はその範疇で実施できます。
拡大する在宅医療などを担う看護師の養成、確保を目的に、2015年に制度が施行され、2023年3月までに、全国で6875人が修了しています。


介助から医行為へ
私は2011年に集中ケア認定看護師として活動を始め、6年目に新たな認定看護師の育成として制度が変わり、そのタイミングで特定行為研修受講に至りました。
研修での学びでは、医師目線でのフィジカルアセスメントや、臨床推論、医療面談、インフォームドコンセント技術など、診察に重要な講義が多く、
技術としては、今まで医師の介助として行っていたことを、医行為として自ら行っていくことに緊張感を持ちました。
研修が修了してからは、自部署での活動と同時に、院内の患者さんを広く見ていく活動のきっかけとなりました。
部署を超えて治療やケアについて介入し、フィジカルアセスメントを活かして、把握できる情報を、他の看護スタッフと共有し、看護ケアについて話し合っています。


さらなる専門性の発揮
当院では現在、研修生も含め9名が活動しており、実施項目や実施場所も増加し、日々学習し、患者さんと向き合っています。
日本看護協会は、看護師のさらなる専門性の発揮により、患者さんにとって適切な医療がより一層タイムリーに提供されることを目指してタスク・シフト/シェアに関するガイドラインを公表しました。
私たち特定認定看護師が、患者さんの早期回復を手助けし、ひいてはそれが2024年スタートの「医師の働き方改革」の助けとなることを期待しています。
今後は施設のニーズを踏まえながら、自己の役割を明確にし、各々の実施項目の拡大と、後進の育成に力を入れていきたいと考えています。

康生会武田病院   クリティカルケア特定認定看護師   大塚 直子

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