当院は24時間365日体制で救急患者さんへの対応を行っています。近年はこの救急患者さんは高齢の方であるケースが増えており、それが高齢独居であったり老老介護であるなど社会的問題のあるケースも少なくありません。患者さんが安心して住み慣れたご自宅に戻るためには、私たち医療機関と介護サービス等による地域における多職種連携が欠かせません。

こうした状況を背景に本年6月、当院は「患者サポートセンター」を開設。医師、看護師、MSW(社会福祉士)、事務職員など計36名が一体となったサポートを行っています。具体的には、入院前オリエンテーションをはじめ、早期に退院支援に介入できるよう入退院支援相談窓口を設置し、毎日約40名の患者さん・ご家族への入院案内を行ったり、多様なご相談に対応しています。
ある患者さんのご家族が窓口に来られた際は、「在宅療養をしていましたが通院が困難になりました。今後の治療の継続が不安です」と不安を訴えられました。これに対し患者サポートセンターは、訪問診療を行う在宅医の先生にご相談し、家族面談を経て訪問診療の手続きを行いました。また、薬剤師による訪問薬剤管理指導を導入することで、ご家族の不安なお気持ちを軽減することができました。今後も患者サポートセンターでは、患者さん・ご家族のニーズに即した対応がとれるよう、地域の関係職と一体となったご支援を行っていきます。