ナーシングメッセージ

患者さんとご家族の大切な物語を紡ぐ

「終末期をどう過ごすか」。急性期病院で退院調整をする私たち看護師は、この意思決定の場面で重要な役割を担うことがあります。その患者さんが「これまでご家族とどのように過ごされてきたか」をお聞きし、ご自宅に戻られてからは「どのように過ごそう」とされているのか、そのご希望にできるだけ添えるよう、関わる全ての職種と連携しサポートしています。「最後まで病院で過ごす」とご家族に仰っていたAさんの例をご紹介します。

このAさん、実はご家族に迷惑をかけたくないと思っておられたのですが、ある日、「自宅に帰りたい」と看護師に気持ちを漏らされたのです。
私たちはすぐさま多職種カンファレンスを行い、ご家族と話し合うことを決めました。そして、奥さんと長女さん、長男さんに医師から病状をご説明したうえで、看護師が聞いた「帰りたい」との本心をお
伝えしました。これを聞くなり長男さんは、「俺は家で過ごしてほしいと思っている。最後も家や」「俺と姉ちゃんも手伝うから」と仰いました。この言葉を受け、しばらく考えておられた奥さんも「家で看られるか不安ですが、やってみます」とご自宅に迎えることを決断されました。私たちは、皆さんの気持ちにお応えし、安心して戻れるよう、訪問診療・訪問看護・調剤薬局による支援体制を整えました。
そして迎えた退院の日、Aさんは長男さんの車でしばらくドライブをされてから念願のご自宅に戻ることができました。Aさんは、しばらく穏やかに過ごされご家族に見守られながら最期を迎えられたのです。

こうした取り組みは、断片的なサポートでは成しえない、「患者さんとご家族の大切な物語」を皆で紡いでいくことではないかと感じています。

患者サポートセンター 副センター長

大島 恭子

たけだ通信116号より(たけだ通信をみる

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