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リウマチブログ

2022/03/22レポート

3/13開催市民公開講座~質問回答~

質問
妹がリウマチから呼吸困難に陥り、治療中です。酸素呼吸器を常用しています。是非ともお話を伺いたいと思います。

回答
ご質問の方のご家族は、酸素呼吸器をなさっているとのこと。おそらく、肺病変や心疾患のために、体の中に十分酸素を取り込めない状態でいらっしゃると思われます。
関節リウマチに合併する肺病変は、主に間質性肺炎と気道病変ですが、感染による肺炎を繰り返したり、薬が体に合わず肺障害を生じたりする患者さんもいます。治療は、肺病変のタイプによって異なります。進行が遅い場合には直ぐには治療を行わないか、時期を見計らって投薬を開始します。ステロイド薬、免疫抑制薬、抗菌薬の点滴や内服などを、病状に合わせて使います。
一方、関節リウマチに特有の心疾患は稀です。しかし、心臓の血管がつまる「心筋梗塞」等は、一般の方よりも、リウマチ患者さんに多いことが判っています。この「心筋梗塞」や、血液の流れを調節する弁がうまく働かなくなる「心臓弁膜症」などが進行して、心臓の血液を送り出すポンプ機能が弱まると、酸素吸入が必要になります。また、肺の動脈が細くなったり詰まったりする病気(肺高血圧症)でも、酸素吸入を行うことがあります。
公開講座でご紹介した、栄養状態の評価と改善は、酸素療法をなさっている患者さんにとって重要です。呼吸をするために、一般の方よりも多くのエネルギーを消費します。食が細くなっている場合には、カサが増えない高エネルギー食品を取り入れるなど工夫が必要です。栄養士との個別相談もお勧めします。


質問
実母がリウマチで苦しんでいました。遺伝というのも、あるのでしょうか?

回答
糖尿病や癌でも、多少はなりやすさは遺伝します。同様にリウマチも多少の遺伝はありますが、リウマチ患者の子供は20人に1人程度がリウマチを発症するという程度です。

質問
リウマチの場合、新型コロナで留意すべき点

回答
リウマチだからといって特別な事はありません。一般的な予防対策をしっかりすることが重要です。むしろ、怖がって必要な治療を受けないことの方が心配です。

質問
高齢者(80代)のリウマチ治療(活動期)として、メトトレキサート(12mg)を使用していますが、効果が実感できず、腫れや痛みが続き、骨が破壊されるのではないかととても心配しています(右手は腱が切れて手術いたしました)。ステロイドや生物学的製剤の使用も考えていますが、高齢者への当該薬物使用としてアドバイス(用量・投与期間、推奨薬剤等)いただけましたら、大変ありがたく存じます。どうか宜しくお願い申し上げます。

回答
ご質問の方は、メトトレキサート(商品名=リウマトレックス・メトレートなど)を週6錠(12mg)服用しておられるとのこと。関節の腫れが続いている場合には、リウマチの活動性を抑える追加治療が必要と思います。「関節の腫れ」は、治療が効いているかを判断する大切な指標です。診察や関節超音波検査などで、主治医に確認してもらうようにしましょう。
ご高齢の患者さんに限らず、治療を強化する利点と欠点のバランスを考えることは重要で、リウマチの病勢に加え合併症や臓器予備力などを念頭に総合判断します。ご高齢の患者さんは、より個人差が大きいと思います。肺疾患など問題となる合併症(特に感染を生じやすい状態)をもっている患者さんについては、安全性に重きをおいて、治療法を選ぶことが一般的です。ご高齢でも、自立生活をなさっており、合併症や持病もコントロールされていて、体力が十分ある方の場合には、目標をより高くおいて治療法を選びます。公開講座でお話したように、活動と栄養を十分とり、感染抵抗力を高めておくこと、また、予防接種を受け、体調不良時の対処法を主治医と話しあっておくことは大切です。
①ステロイド薬 炎症をおさえる作用は強く、効き目も速いです。メトトレキサート等の抗リウマチ薬や生物学的製剤が効いてくるまで、当面の症状緩和を目的としています。例えば、少量(プレドニン2.5mg~7.5mg/日)を朝のみか、朝夕に分割して内服します。関節注射や筋肉注射を数回だけ行うこともあります。プレドニン5mg/日程度を長期間服用している方も多くいますが、リウマチの病勢が治まりしだい、ステロイド薬は徐々に減量します。数か月を超えてステロイド薬を使う場合には、糖尿病や骨粗しょう症の進行にも留意が必要です。特にご高齢の場合には、骨粗しょう症治療を同時に行うことが肝要です。
②生物学的製剤 大きく分けて3種類あります。①TNFの作用を抑えるもの、②IL-6の作用を抑えるもの、③Tリンパ球の活性化を抑えるもの。①は最も製剤のタイプが多く投与間隔も様々です。エンブレムは投与量の調整がしやすいので、高齢者の体格や病状に合わせやすいかもしれません。②にはアクテラムとケブザラの2種類が含まれます。②はメトトレキサートを減量中止して、生物学的製剤だけでリウマチの病勢を抑えられる可能性が比較的高いことで知られています。③はオレンシアという薬です。感染症を生じる可能性が比較的低いため、特に高齢者で感染症リスクが特に高い方に対して、これを最初に使うことが多いです。
生物学的製剤の投与期間:効果は早いものでは週単位で実感できますが、十分な効き目があるか判断するためには数か月必要です。問題なく使える場合には、ご高齢の患者さんであっても数年以上継続し、関節破壊を抑えるという高い目標をめざします。合併症や経済的理由で、休薬する場合もあります。十分効果がある(寛解状態が持続する)場合には、減量や投与間隔を延ばすこともあります。

質問
妹がリュウマチから呼吸困難に陥り、治療中です。酸素呼吸器を常用しています。是非ともお話を伺いたいと思います。

回答
ご質問の方のご家族は、酸素呼吸器を使用なさっているとのこと。おそらく、肺病変や心疾患のために、体の中に十分酸素を取り込めない状態でいらっしゃると思われます。
関節リウマチに合併する肺病変は、主に間質性肺炎と気道病変ですが、感染による肺炎を繰り返したり、薬が体に合わず肺障害を生じたりする患者さんもいます。治療は、肺病変のタイプによって異なります。進行が遅い場合には直ぐに治療を行わないか、時期を見計らって投薬を開始します。ステロイド薬、免疫抑制薬、抗菌薬の点滴や内服などを、病状に合わせて使います。
一方、関節リウマチに特有の心疾患は稀です。しかし、心臓の血管がつまる「心筋梗塞」等は、一般の方よりも、リウマチ患者さんに多いことが判っています。この「心筋梗塞」や、血液の流れを調整する弁がうまく働かなくなる「心臓弁膜症」などが進行して、心臓の血液を送り出すポンプ機能が弱まると、酸素吸入が必要になります。また、肺の動脈が細くなったり詰まったりする病気(肺高血圧症)でも、酸素吸入を行うことがあります。
公開講座でご紹介した、栄養状態の評価と改善は、酸素療法をなさっている患者さんにとって重要です。呼吸をするために、一般の方よりも多くのエネルギーを消費します。食が細くなっている場合には、カサが増えない高エネルギー食品を取り入れるなど工夫が必要です。栄養士との相談もお勧めします。

質問
検査結果で骨の変形はなく、検査数値も良くなっているが、肩、肘、膝、手首、手指関節痛、股関節

回答
頂いたご質問の文章は途切れていましたが、関節リウマチと診断されている患者さんでしたら、おそらく、調子が悪くて多くの関節が痛むという状態でしょう。詳しい状況はわかりませんが、可能性として少なくとも3つ考えられます。
①関節リウマチによる関節の炎症が持続している、②神経障害性の痛み、③関節が固くなっているための痛みとこわばり。
①の場合は、抗リウマチ薬や生物学的製剤等による治療の継続や調整が必要です。②はあまり聞いたことがないかもしれませんが、リウマチを含め何らかの原因で神経が障害されて痛みが生じている場合、「神経障害性疼痛」といいます。特徴は、発作のように強い痛みが繰り返したり、通常ならば何でもない程度の刺激が強い痛みに感じたり、針で刺すような電気が走るような痛みを感じたり。神経障害性疼痛には通常の痛み止めとは違うタイプの薬を使います。③に対しては、リハビリが必要です。症状が強いようなので、できればリハビリ療法士に指導を受けることを勧めす。まずは入浴後など体が温まってから、ゆっくりと関節を動かしましょう。「リウマチ体操」の方法は当院のホームページでも紹介しています。

質問
中指の第2関節に痛みはリウマチだと聞いたことがありますが、そうなんでしょうか。祖母、母とリウマチでした。

回答
第2関節の痛みは中高齢者に軟骨が擦り減ってでてくる変形性関節症でもよく出てきます。第3関節(MP関節:手首に近い側の指関節)が腫れてくるのは関節リウマチが多い、ということは言えます。


 

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