病院指標
平成29年度 宇治武田病院 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 16 | 106 | 54 | 55 | 138 | 184 | 515 | 1047 | 891 | 164 |
定 義
平成29年度退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しており、年齢は入院時の満年齢です。
特 徴
当院の入院患者は比較的ご高齢の患者が多く入院され、60歳以上の占める割合が全体の82%と大勢を占めており、比較的若い世代である40歳代以下は全体の占める割合は11%となっております。
年代別の主な疾患は40歳代以下では膝、肘の外傷をはじめとした整形外科の手術疾患が大勢を占めており、内科疾患では小腸大腸の良性疾患等、2型糖尿病等が比較的多くなっております。60歳代以上では膝・股関節関節症に対しての人工関節置換術をはじめとした整形外科の手術疾患が多く、他では肺炎、尿路感染症、虚血性腸炎、糖尿病、膀胱腫瘍、慢性腎不全、緑内障等が多くなっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 46 | 29.72 | 20.8 | 13.04 | 87.46 | |
100070xx99x100 | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 | 46 | 28.74 | 14.3 | 0 | 69.2 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 31 | 17.74 | 12.3 | 6.45 | 80.45 | |
100070xx99x110 | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病あり85歳未満 | 28 | 36.57 | 15.9 | 0 | 70.89 | |
0400801499x002 | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア2 | 24 | 23.67 | 15.1 | 4.17 | 83.75 |
食べ物や飲み物が誤って気管に入り、細菌が唾液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。肺炎は日本人の死亡原因の第3位で、肺炎で死亡される方の92%は65歳以上の高齢者となっており、当院の肺炎患者の平均年齢も80歳代後半とご高齢の患者が多く入院なされております。
治療には肺炎の原因となる細菌を殺す抗菌薬で治療を行い、治療後の体力回復にリハビリなどを取り入れ、早期に日常生活に復帰できるよう、医師、看護師、コメディカルで連携をとり共に治療を行っております。2型糖尿病患者においては、様々な年代の患者治療に対して医師、看護師、栄養士、リハビリスタッフが協力し、薬物療法、インシュリン療法、食事療法、運動療法などを取り入れ、血糖コントロールの改善に努め、合併症の予防、進行を遅らせる事でより良い生活が送れるよう患者さんと共に治療を行っております。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 31 | 6.9 | 7.9 | 0 | 67.55 | |
060190xx99x0xx | 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし | 21 | 7.62 | 9.1 | 0 | 68.38 | |
060050xx0300xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 16 | 5.38 | 8.4 | 0 | 78.19 | |
060050xx97x0xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし | 14 | 10.0 | 11.4 | 0 | 74.29 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 14 | 9.64 | 10.6 | 0 | 77.86 |
入院が必要な疾患で最も多かったのは、憩室性疾患でした。その中でも大腸憩室炎がほとんどでした。憩室炎は、大腸壁の一部が外側に膨らむ憩室という状態に何らかの原因で炎症が合併したもので、高齢化・食生活の欧米化に伴い増加している病気です。
次に多かったのは、虚血性腸炎でした。急に大腸がただれて、腹痛・下痢・下血の症状で発症する炎症性の病気です。下血するので大腸がんかと思い慌てられる患者さんも多いですが、絶食・点滴・腸管の安静で軽快していく良性の疾患です。3番目から5番目に多いのが、肝臓・胆嚢・胆管の疾患です。良性の結石から悪性腫瘍まで様々な疾患が起こります。内視鏡を用いた手術・超音波下で行う治療などがあります。病態に応じて、適宜対処しております。
循環器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 14 | 18.79 | 17.7 | 7.14 | 88.00 | |
040190xx99xxxx | 胸水、胸膜の疾患(その他) 手術なし | - | - | 16.5 | - | - | |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | - | - | 5.2 | - | - | |
0400801499x002 | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なしA-DROP スコア2 | - | - | 15.1 | - | - | |
050050xx99000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 6.8 | - | - |
当院の循環器内科では狭心症、心筋梗塞などの治療を行っている患者が、重い心不全を起こされ入院されたり、肺炎や尿路感染症などの感染症を起こされ入院されているケースが多く、入院患者の平均年齢も70歳以上とご高齢の患者さんが多くを占めており、安全で高度な「ほっ。」としていただけるような医療を目指します。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060035xx01000x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 12 | 14.75 | 15.6 | 0 | 68.17 | |
080011xx99xxxx | 急性膿皮症 手術なし | 12 | 16.92 | 11.7 | 0 | 78.0 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 11 | 6.09 | 6.6 | 0 | 60.36 | |
060235xx97xxxx | 痔瘻 手術あり | 10 | 8.0 | 6.2 | 0 | 49.60 | |
060020xx02x0xx | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし | - | - | 17.3 | - | - |
大腸癌、胃癌の治療では、ガイドラインに準じた治療を原則としています。さらに、胃癌の胃全摘術後の再建として、空腸嚢(小腸を利用した、胃の代用する袋)を作製する等、患者さんのQOLの向上のための手術術式を工夫しています。大腸、直腸癌では、神経を温存することにより、膀胱機能や性機能の維持に努めています。また自動吻合器や、ハーモニックスカルペル(超音波メス)など最新の手術機器を使用して、安全かつ迅速な手術が可能になりました。
大腸、直腸癌の手術は適応のある症例については腹腔鏡を用いた侵襲の少ない手術を導入しています。
胆嚢結石、胆嚢ポリープ等に対しては腹腔鏡を用いた侵襲の少ない手術を採用しております。肛門の専門治療も積極的に行っており、内痔核疾患においてはALTA療法(痔核に4段階に渡り注射を行う)も行うなど治療に務めております。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 103 | 39.4 | 25.1 | 1.94 | 74.19 | |
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 | 95 | 12.91 | 11.4 | 0 | 37.71 | |
070343xx97x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし | 55 | 12.64 | 17.3 | 0 | 70.51 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 36 | 38.11 | 19.9 | 5.56 | 81.17 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 34 | 35.94 | 23.1 | 2.94 | 71.12 |
年々手術件数は増加しており、小児整形外科をはじめ、上肢の外科、膝や肩の鏡視下手術を中心とした靭帯形成術、半月板手術などのスポーツ外傷や、人工関節置換術などの関節外科、低侵襲脊椎手術にも力を入れております。
膝関節症の手術件数は高齢人口の増加もあり徐々に増えています。膝の変形具合、症状を詳細に把握した上で、可能な場合はできるだけ低侵襲な(体の負担の少ない)方法(人工膝関節単顆置換術・高位脛骨骨切り術(HTO手術))を用いています。また、相談の上両膝の同時手術にも対応しています。
脊椎センターでは椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、靭帯骨化症、脊椎骨折など頚椎から腰椎までの各種の脊椎疾患に対して病状に応じた治療を専門的に行ってまいります。おもに肘から先の指、手首、腕のケガや病気を扱う上肢の外科専門外来を設ける事で、手根管手術をはじめ手術件数は増加してきており、可能な限り元の生活、仕事、生きがいに戻ることができるように日々尽力しております。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020220xx97xxx0 | 緑内障 手術あり片眼 | 24 | 2.83 | 8.5 | 0 | 78.75 | |
020250xx97xxxx | 結膜の障害 手術あり | 11 | 2.09 | 3.3 | 0 | 75.18 | |
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 | - | - | 2.9 | - | - | |
020200xx9710xx | 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし | - | - | 7.3 | - | - |
眼の疾患は多疾患に渡り対応しておりますが、特に緑内障、白内障、ぶどう膜炎、糖尿病網膜症・網膜血管閉塞・黄斑変性症などの網膜疾患などを中心に診察しております。手術室にはzeiss Lumera700の最新の顕微鏡、アルコンConstellation (白内障・硝子体手術機器)、トラベクトーム緑内障手術機器など最新の機器を揃え、 機器は、光干渉断層計(OCT)、ハンフリー自動視野計、ゴールドマン視野計、角膜形状解析・波面収差解析装置、蛍光眼底造影撮影装置、角膜内皮撮影装置、眼軸長測定装置(IOLマスター)、網膜治療を行うためのマルチカラーレーザー、SLT(緑内障レーザー・YAGレーザー)など高度な診療機器を設置し最善の治療が行えるよう心がけております。多種の機器を用いつつも、患者さんに十分納得し満足していただける医療の提供を目指しております。
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010160xx99x00x | パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 16 | 47.56 | 18.7 | 12.5 | 78.44 | |
010060x2990201 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | - | - | 16.5 | - | - | |
010060x2990211 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病1あり発症前Rankin Scale 0、1又は2 | - | - | 18.6 | - | - | |
010200xx99x00x | 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 7.5 | - | - | |
010160xx99x01x | パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり | - | - | 35.8 | - | - |
脳梗塞は神経内科入院の約3割近くを占めております。脳梗塞は脳の血管が狭くなったり詰まったりする事で、脳に酸素とエネルギーが十分供給されない事で脳に障害が起きる病気です。当院では3テスラ、1.5テスラのMRIを設置しており、早期に治療対応できるような体制を整えており、入院されてからも理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が医師の指示の元に訓練を行い、早期に社会復帰できるように努めております。パーキンソン氏病をはじめ神経変性疾患に対しても、専門医による診断・治療を行っております。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 24 | 6.21 | 7.3 | 0 | 76.71 | |
110080xx01x0xx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし | - | - | 12.9 | - | - | |
110060xx01x0xx | 腎盂・尿管の悪性腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし | - | - | 13.6 | - | - | |
110280xx99000x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 12.2 | - | - | |
110280xx99010x | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし | - | - | 14.6 | - | - |
近隣の開業されている先生方の協力を頂き、血尿(肉眼的/顕微鏡的)の精査、前立腺腫瘍マーカー(PSA)の異常から、2次検診(画像診断(主にMRI)→前立腺生検、膀胱鏡)を積極的に勧め、前立腺癌・膀胱癌の早期発見を目指しております。また当院では3テスラMRI装置を設置しており、解析度の向上により前立腺癌の診断において非常に重要な役割を担っております。人工透析を定期的に受ける慢性腎不全の患者さんは年々高齢化が進み、当院でも平均年齢が70歳を超えるといった状況となっております。当院では維持血液透析患者は約100名を抱えております。2016年6月から腹膜透析外来も開設しており、”血液透析+腹膜透析併用療法”にも対応しております。病院として整形外科の手術だけでなくリハビリにも力を入れており、他院にて腎臓病治療を開始し、 その治療継続が必要であるが直接自宅退院出来ない患者さんのリハビリを両立すべく、入院にて腎臓病治療とリハビリを行っており、他科の医師とも連携を取り早期退院に向けて治療を行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | 14 | - | - | 1 | 6,7 |
大腸癌 | - | - | - | 19 | - | 16 | 1 | 6,7 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 6,7 |
肺癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 6,7 |
肝癌 | - | - | - | - | - | 17 | 1 | 6,7 |
※1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の患者さんの人数を、初発(UICC病期分類別)・再発に分けて集計しております。
UICC 病期分類とは、UICC 病期分類国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3つのカテゴリによって各がんをⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するものです。
不明とは、Stageが特定できない等の場合に不明としております。主として治療前の検査入院中に検査結果でなかった場合が該当します。
再発とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者を診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。 ※ 患者数が10未満の場合は『-』と表示しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | 16.11 | 60.67 |
中等症 | 87 | 29.24 | 82.26 |
重症 | 15 | 21.33 | 86.00 |
超重症 | - | 27.67 | 85.67 |
不明 | - | - | - |
定 義
市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を言います。成人 (15歳以上)を対象として集計しており、集計方法は成人肺炎 市中肺炎CAP A-DROPスコアを採用しております。A-DROPとは5つのチェック項目の頭文字をつなげたものであり、軽症(外来治療)、中等度(外来または入院治療)、重症(入院治療)、超重症(ICU治療)として推奨される治療環境を簡便に判断できるようにしております。
※ 患者数が10未満の場合は『-』と表示しております。
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下
特 徴
症例数を見ると中等度が最も多く、全体の約6割を占めています。平均在院日数について軽症では約10日間と短期間となっておりますが、中等~重症が20~30日となっております。平均年齢においては軽症が60歳前後となっておりますが、中等~重症では急に年齢層が上がり70歳代後半から80歳代と高齢者が増加している傾向となっております。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 28 | 45.54 | 77.57 | 12.50 |
その他 | 12 | 52.83 | 78.00 | 5.00 |
定 義
ICD10 とは 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。
特 徴
脳梗塞関連の患者さんについて、発症日からの日数別に、症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。全体の約9割が脳梗塞の患者さんで、発症日から3日以内の急性期の症例が全体の68%となっており、急性期の脳梗塞の患者に対して早期に対応しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 106 | 0.02 | 1.00 | 0 | 66.25 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 24 | 0.88 | 11.17 | 4.17 | 79.13 | |
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) | 13 | 1.23 | 7.08 | 0 | 74.23 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 10 | 1.40 | 13.70 | 10.00 | 74.30 | |
K697-32ロ | 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cmを超えるもの)(その他のもの) | - | - | - | - | - |
大腸ポリープに対する手術が最も多く、大腸ポリープは健診・ドックでの便潜血反応陽性を指摘され見つかるケースが多いです。多くの大腸ポリープは、内視鏡(カメラ)を用いて切除します。内視鏡を肛門から挿入し、内視鏡先端からスネア(ポリープを切除する器具)を出してポリープにかけて、高周波電流を通電しながらポリープを切除します。出血・穿孔などの合併症がわずかながらあるため、入院の上行っています。
内視鏡的胆道ステント留置術とは、総胆管結石や胆道狭窄(良性・悪性)等の胆道疾患で、胆管が閉塞・狭窄して胆汁流出が不良となった場合に胆汁の流出路を作る方法です。内視鏡を用いて十二指腸乳頭から逆行性胆管造影を行い、胆管内の閉塞・狭窄部位にガイドワイヤーを通過させ、それにかぶせるようにステントを留置して胆汁の流出路を作ります。
肝臓癌の内科的治療も発展し、早期に対処すれば5年生存率が60%を越す時代になりました。早期治療は、局所療法(ラジオ波焼灼術やエタノール注入術)、経カテーテル治療などの侵襲の少ない治療を行っています。
消化器内科の診断・治療には、内視鏡を用いる事が多く、ある程度の苦痛を伴う事があります。我々は、適宜鎮静剤を使用するなどして、出来るだけ苦痛の少ない検査・治療を心がけております。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 23 | 1.00 | 5.04 | 0 | 69.91 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 19 | 1.32 | 4.63 | 0 | 79.21 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 18 | 1.00 | 5.06 | 0 | 61.83 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 14 | 2.07 | 20.64 | 7.14 | 71.43 | |
K6552 | 胃切除術(悪性腫瘍手術) | - | - | - | - | - |
外科では消化器外科を中心に乳腺疾患、末梢血管疾患、その他一般外科、救急医療及び緩和医療等、幅広い医療を提供しております。
消化器外科としては、口から肛門までの消化管と肝臓、胆嚢、膵臓など腹消化器疾患を幅広く扱っており、消化器以外でも、鼡径ヘルニア、下肢静脈瘤等の一般外科症例、更に乳癌を中心に乳腺全般に関する治療も行っております。
大腸、直腸癌の手術は適応のある症例については腹腔鏡を用いた侵襲の少ない手術を導入しており、今後は胃癌でも積極的に取り入れていく予定です。
胆嚢結石、胆嚢ポリープ等に対しては腹腔鏡を用いた侵襲の少ない手術を採用しております。
肛門の専門治療も積極的に行っており、内痔核疾患においてはALTA療法(痔核に4段階に渡り注射を行う)も行うなど治療に務めております。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(肩,股,膝) | 143 | 1.82 | 35.55 | 2.10 | 73.08 | |
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) | 80 | 2.78 | 11.71 | 1.25 | 70.34 | |
K068-2 | 関節鏡下半月板切除術 | 42 | 0.67 | 4.26 | 0 | 48.50 | |
K079-21 | 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) | 41 | 0.95 | 18.76 | 0 | 26.44 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) | 29 | 0.52 | 1.76 | 0 | 52.52 |
膝・股関節症、脊椎関連の手術件数は高齢人口の増加もあり徐々に増えております。膝の変形具合、症状を詳細に把握した上で、可能な場合はできるだけ低侵襲な(体の負担の少ない)方法(人工膝関節単顆置換術・高位脛骨骨切り術(HTO手術))を用いています。
また、相談の上両膝の同時手術にも対応しています。脊椎の手術では出来るだけ体に優しい低侵襲な手術加療を基本としており、手術に際しては顕微鏡下に筋肉を温存しながら行う除圧術を主体とし、必要に応じて経皮的固定術やナビゲーションシステムを用いた正確な固定術を行います。
膝や肩の鏡視下手術を中心とした靭帯形成術、半月板手術などのスポーツ外傷や、人工関節置換術などの関節外科にも力を入れております。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 550 | 0.51 | 1.02 | 0 | 76.26 | |
K2682 | 緑内障手術(流出路再建術) | 24 | 0.63 | 1.21 | 0 | 78.75 | |
K224 | 翼状片手術(弁の移植を要する) | 11 | 0.09 | 1.00 | 0 | 75.18 | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) | - | - | - | - | - | |
K2822 | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) | - | - | - | - | - |
眼の疾患は多疾患に渡り対応しておりますが、特に緑内障、白内障、ぶどう膜炎、糖尿病網膜症・網膜血管閉塞・黄斑変性症などの網膜疾患などを中心に診察しております。手術は白内障を中心に、緑内障、硝子体など他に糖尿病網膜症や網膜血管閉塞による黄斑部浮腫に対しての硝子体内注射なども行っており、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術に対し先進医療の届出受理病院となっております。
手術室にはzeiss Lumera700の最新の顕微鏡、アルコンConstellation(白内障・硝子体手術機器)、トラベクトーム緑内障手術機器など最新の機器を揃え、最善の治療が行えるよう心がけております。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 24 | 1.67 | 3.96 | 0 | 75.71 | |
K773-2 | 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | - | - | - | - | - | |
K843 | 前立腺悪性腫瘍手術 | - | - | - | - | - | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | - | - | - | - | - | |
K797 | 膀胱内凝血除去術 | - | - | - | - | - |
近隣の開業されている先生方の協力を頂き、血尿(肉眼的/顕微鏡的)の精査、前立腺腫瘍マーカー(PSA)の異常から、2次検診(画像診断(主にMRI)→前立腺生検、膀胱鏡)を積極的に勧め、前立腺癌・膀胱癌の早期発見を目指しております。また当院では3テスラMRI装置を設置しており、解析度の向上により前立腺癌の診断において非常に重要な役割を担っております。前立腺癌に関しては手術療法の他に当院の特色である放射線療法の『トモセラピー』も行っており、手術療法と比較して遜色ない治療成績が報告されています。前立腺癌の治療に関しては手術療法と放射線療法の長所と短所を説明の上治療方針を決定しております。早期膀胱癌や前立腺肥大症に対して内視鏡手術を積極的に行っており、特色として体に優しい生理食塩水を使用して行えるTURisという高性能装置を用いております。副腎腫瘍、腎癌、尿管腫瘍に対しては腹腔鏡手術を積極的に行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 12 | 0.38 |
異なる | - | - |
医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発生率を示したものです。
敗血症は、感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身の炎症性反応を伴います。手術・処置等の合併症は、主に術創部の感染や出血によるものです。
更新履歴
2018/9/25 病院指標公開しました