ナーシングメッセージ

少しでも居心地のよい療養環境を~認知症看護認定看護師の視点から~

超高齢社会に突入し病院においても多くの高齢者が入院しています。 私たち「認知症看護認定看護師」 は認知症高齢者が入院加療を受ける場面で、最小限の苦痛となるよう、重要な観察や環境作りを病棟スタッフが行えるように調整を行い、住み慣れた地域に退院する目標を掲げ活動しています。

認知症高齢者は、普段とは環境が全く異なる「病院」という療養環境での生活に馴染めず、時には混乱からせん妄を引き起こします。あるいは認知機能低下が進行し、入院加療ができない状況に陥る場合があります。 少しでも認知症高齢者が加療・療養できるようさまざまな観察を行います。
例えば、利き手や靴は左右どちらから履くのか、立ち上がる際にはどちらの手を支えにしているのかなど、無意識の行動を細かく観察し、それらの行動がよりスムーズに行えるよう、意図的な環境調整をします。

このようなことを、認知症対応相談時や認知症ラウンドの際に丁寧にスタッフに説明、指導、対応支援を行っています。 認知症高齢者では無意識下の動作が阻まれたとき、苛立ちや落ち着かない感情が生じて容易に混乱を来してしまうのです。

治療の場である病院では、多くのストレスがかかるため、認知症高齢者が少しでも居心地良く過ごせるよう、治療、療養環境を看護師一人ひとりが考え、 提供できる看護部を目指して今後も精力的に活動をしていきたいと思います。


康生会武田病院  認知症看護認定看護師 西塚 秀明

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