武田病院グループの特徴の1つが、プラスになることは積極的に取り入れ、良い方向に変革していく職場風土があることです。一人ひとりがどんな思いで看護に臨み、“やりたい”を叶えているのか、副看護師長として活躍する稻本有紀さんに聞きました。
episode 01
看護師を目指したきっかけ
について
教えてください。
私が看護の道に進むきっかけになったのは、高校時代の養護教諭との出会いでした。とてもやさしい先生で、私もこんな仕事をしたいと思って看護の仕事に興味を持つようになりました。最初は養護教諭になりたかったのですが、転機になったのは整形外科での看護実習です。手術後の患者さんに関わった時、看護師がケアを工夫することで回復の早さが違ってくることを目の当たりにしたんです。看護って何てすばらしい、やりがいのある職業なんだろうと思い、その実習を境に看護師を目指すようになりました。
episode 02
康生会 武田病院に就職した
きっかけ・決め手は何ですか？
就職先を選ぶ際に私が希望したのは、まず急性期病院であること。そして大学病院のような大規模病院よりも、どちらかというと地域に根差した病院でした。さまざまな診療科があって救急件数も多い病院なら、幅広い疾患の看護を学べると考えたからです。
でも、私は大阪の看護大学に通っていたこともあって、実は就職活動を始めるまで武田病院グループの存在は知りませんでした。「ここで働きたい」と思う決め手となったのは、見学で見聞きした病棟の雰囲気です。看護部長が院内を案内しながらスタッフ一人ひとりにこまめに声をかけ、しっかり目を行き届かせている姿が印象的でした。皆さん気さくに話をしていて、人間関係が良く働きやすそうな職場だと感じました。詳しい話を聞くうちに興味が高まって、私もここで一緒に看護をしたいと思ったのです。
episode 03
心に残っている看護エピソード
を教えてください。
私が消化器外科や呼吸器外科の病棟にいた時、末期がんの患者さんにお会いしたことをよく覚えています。その患者さんは足が浮腫でパンパンになり浸出液も出ていて、夜は痛みで眠れない様子でした。すると、ある夜勤の日、先輩の看護師が仕事の合間にその方のところに行き、少しでもゆっくり眠れるようにマッサージをする姿を見ました。患者さんは「忙しいのにごめんね、ありがとう」と感謝されて…。治療だけでなく、看護師の手で提供するケアによって少しでも患者さんを安楽にすることができるんだと感じました。その時の「私もこんなケアができる看護師になりたい」という気持ちは今も持ち続けています。
episode 04
新人看護師はどんな体制で育成しているのですか？
当院にはチューター制度があり、2～3年上の先輩が相談役として新人看護師一人ひとりについています。私にも2年上の先輩がチューターとしてついてくださったのですが、その先輩がよく声をかけてくれて、何でも相談できたのが心強かったです。食事に連れて行ってもらって色々相談しながら、大変な時も乗り越えることができました。その先輩とは今でもよく連絡を取るくらい頼りにしています。
それに加えてチーム全体としても新人を育てる雰囲気があり、いつでも誰にでも相談できるから不安を抱え込まずに済んだのかなと思います。毎日チームで行うカンファレンスでも、個々の患者さんの看護上の問題点は何か、どんな方向性で看護していくか、どうアセスメントするか、迷うことがあれば話し合って新人にもアドバイスをしています。
とはいえ、私も新人の頃は失敗して怒られてしまうこともありました。でも、ただ落ち込んでばかりもいられません。次の仕事で同じ失敗を繰り返さないように改善して、自分なりに成功体験を積むよう努力したのも良い思い出ですね。
episode 05
今までどんなふうに
キャリアアップしてきたのですか？
副主任、主任を経て、現在は副看護師長という立場にあります。でも正直なところ、初めて役職に就く時は「私で大丈夫ですか？」という気持ちが大きかったですね。看護師長から「あなたならできると思うよ」と背中を押されて何とかやってきました。
立場が変わる中で実感するのは、「視点」も変わるということです。以前は患者さんへのケアをいかに良くするかを主に考えていましたが、役職に就くと、スタッフの育成や病棟全体を良くするためにどうするか、ということも考えるようになりました。人を育てるのは簡単なことではありませんが、後輩が以前できなかったことができるようになる瞬間に立ち会うこともあり、成長していく過程を見ることができるのは嬉しい限りです。
そうやってスタッフの質が高まれば、患者さんへの看護の質が上がることにつながります。そのために私が心がけているのは、スタッフの成長へのモチベーションを上げるためには、どう関わればいいかを常に考えて接すること。一人ひとりが興味を抱いている分野を把握しておいて良い経験を積める場をセッティングするなど、試行錯誤しながら頑張っています。
episode 06
今後どんなキャリア
を歩んでいきたいですか。
看護師になって11年目となる今も、今後のキャリアについてはまだ迷うところがあります。院内では認定看護師が活躍していて、そういう専門性を高める方向にも興味があります。副看護師長としての仕事は大変ですが、やりがいもあるので、そこを極めるのもいいかもしれません。色々迷いながら、より良い方向に絞っていけたらと思っています。
マネジメントに関しては、昨年度、日本看護協会による認定看護管理者の研修に参加してファーストレベルを修了しました。セカンドレベルやサードレベルに進むかはまだ思案中ですが、せっかく学んだことは病棟でどんどん活かせるよう努めています。
episode 07
職場でやりたいことがある時、
実現できる環境はありますか？
武田病院グループには良いものを積極的に取り入れて改革していく風土があります。看護の提供体制も同様で、パートナーシップ制度など新しいシステムを取り入れながら時代の流れに合わせた改革を進めています。何でも提案しやすく、“やりたい”を叶えるためにバックアップしてくれる体制や気風があるのはありがたいですね。
現在、私は循環器内科や不整脈科、心臓血管外科、糖尿病内科の一般病棟とハイケアユニットがある病棟に勤務していますが、今年度力を入れたいと思っているのは、心不全の患者さんへの関わりです。この病棟には心不全の患者さんが非常に多く、自宅療養についてしっかり指導する必要があります。そのため、心不全外来をもっと強化したいと考えています。
人材育成については、スタッフが担当の病棟のみに留まらず、他部署で学べる機会も作りたいと思っています。例えば、外来での患者指導や、カテーテル治療やアブレーション治療など頻度が高い治療を見学することで、病棟での看護に活かせることがたくさんあります。コロナ禍には進めにくい部分もありましたが、今後はそのような学びの場を増やして、病棟の看護をより良い方向に変えていきたいですね。
episode 08
就職先を選ぶポイントについてアドバイスはありますか？
あくまでも私個人の意見ですが、新卒でどんな病院に就職するべきか迷うなら急性期病院をお勧めします。さまざまな疾患の看護を学ぶことができますし、アセスメントする力もつくのではないかと思います。もちろん経験年数が上がってからでも構いませんが、後から総合的に学ぶのは大変かもしれません。
また、大学病院のようなところでは1つの診療科で専門性を深めることができる一方で、そこしか見ることができないという一面もあります。どちらを取るかは人それぞれですが、私の場合、一部しか見れないのはもったいない気がしました。広い範囲を学ぶのは大変ですが、新人のうちはちょっと頑張って成長することも大事。その意味でも、私は現職場の武田病院を選んで良かったと思っています。
episode 09
武田病院グループに
就職を考えている学生さんに
メッセージをお願いします。
新しいことを取り入れながら良い方向に変わっていくところが武田病院グループの大きな特徴であり、強みでもあります。また、残業を減らし、忙しい中でも定時で帰る日を作り、休暇もしっかり取るなど、ワークライフバランスを重視した取り組みも進んでいます。勤務時間帯の選択肢が多いので、お子さんのいる人も仕事を続けやすく、他院と比べてみてもかなり働きやすいのではないでしょうか。新人の教育体制もしっかりしていますし、何より職場の雰囲気が良いので安心して来ていただけると思います。
