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キャリアをつなげる

「夫婦」ともに他業界から看護の道へ
子育てしながらキャリアを形成

医療法人 医仁会 武田総合病院

ICU 看護師 / 産婦人科病棟 助産師

杉本 晃一 / 杉本 みのり

近年、働くことについての意識が変化していくなかで、異業種から看護師に転身し、新たな道を歩む人も増えています。その人たちは何がきっかけで決断し、どんなキャリアを歩んでいるのでしょうか?今回は夫婦で武田病院グループに勤務する杉本晃一さん、杉本みのりさんに、転職に至った経緯や武田病院グループの働きやすさについて聞きました。

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episode 01

異業種から看護師へとキャリアチェンジした
きっかけは何ですか?

みのりさん

私の場合、第1子を出産したのがきっかけでした。分娩を境に助産師になりたいという思いが強くなり、出産した年の冬に看護学校を受験したんです。それまで従事していたホテルでの接客業もやりがいはありましたが、まったく別の業界から一念発起して方向転換するほど、分娩は自信をもらえるようなすばらしい体験でした。
幸い親兄弟の協力も得られたので、学業と育児の両立で挫折することはありませんでした。自分が本当にやりたいと思って選んだ道だけあって「助産師になるんだ!」という具体的な将来像を描いていたので、大変さより楽しみのほうが大きかったんです。夜は子どもと一緒に21時頃に寝て、早朝に起きて勉強するという良い生活リズムで学ぶことができました。

晃一さん

私も異業種から転身したパターンで、看護と関係のない大学を卒業して3年ほど医療機器の営業をしていました。当時はまさか自分が看護師になるとは思ってもいませんでした。営業職に不満はなかったのですが、自分が扱う機器が病院でどう使われているのかイメージできず、臨床の様子を理解したいと思ったのが始まりです。営業先の病院で顔なじみになった人に話を聞いたり、看護師の仕事の様子を見たりするうちに自分も看護に携わりたいと思うようになったんです。それで「やるなら今しかない!」と決断しました。両親には「看護師=聖職者」というイメージがあったようで、医療に携わるのは喜ばしいことだからと協力してくれました。
会社を退職した後は、実家から近い病院の奨学金制度を利用し、看護補助者として働きながら通学することにしました。しっかり勉強して翌年に受験するつもりでしたが、運良くその年に合格し、26歳で看護学校に入学。授業に加えて仕事もあり、特に試験期間は睡眠時間も少なく大変でした。でも、無事29歳で看護師の資格を取ることができました。ちなみに、営業マン時代の元上司は今も時々病院で会って話をすることがあります。

episode 02

就職先として武田病院グループを
選んだ理由を教えてください。

みのりさん

私は京都生まれで幼い頃から医仁会武田総合病院にお世話になっていましたが、就職先として選んだ一番の理由は奨学金制度があったことです。ここの奨学金制度がなかったら、助産師の職に就くのは難しかったと思うので、病院には本当に感謝しています。
助産学校時代に医仁会武田総合病院で実習したことも良い経験でした。助産師さんに手厚く指導していただいて責任感を持つことの大切さを知り、私もこんな助産師になりたいと思ったのを覚えています。入職前は「ブリッジの会」(看護学生を応援するための先輩看護師によるチーム)を通して病院と接点があったので特に不安はなく、ここで働けるんだとワクワクしました。

晃一さん

私は卒業後の3年間、奨学金をいただいた大阪の病院で救急外来に勤務しました。病院を移ろうと考えたのは、結婚を機に大阪から京都に引っ越し、通勤時間が長くて不便になったことです。外来の看護しか経験できていないことへの焦りもあり、この機会に環境を変えて勉強し直したいと思いました。男性看護師は精神科を勧められることが多いので、私も精神科のある病院に見学に行ったりしましたが、やりたい看護ができなければ長く勤め続けるのは困難です。妻がすでに医仁会武田総合病院に勤務していたので、同じ病院はどうかと悩みましたが、妻の説明から働きやすい職場だということは確かそうなので、面接の機会をいただきました。

episode 03

夫婦で医仁会武田総合病院に勤めて良かったと思うことはありますか?

晃一さん

仕事が大変な時、お互いの状況を理解してフォローし合えるのは同じ職業ならではだと思います。しかも同じ病院にいれば、「今日は彼女が残業だろう」、「まだ自転車があるから保育室に寄って行こう」、などと察することもできます。お互いの部署の看護師長さん同士も連携を取ってくれて、子どもの体調が悪い時はどちらが休むほうがいいかなど、いろいろ気にかけて調整してくれています。
医仁会武田総合病院の見た目は少し古めですが、歴史の積み重ねがある分、患者さんとのやりとりで楽しさを見出せる職場です。さまざまな診療科があり、部署によっては多くの疾患を学ぶことができます。新人が成長できるように教育面も充実しているので、看護学生の方には「ここでぜひ一緒に働きましょう」と自信を持って言いたいです。

みのりさん

確かに当院の教育はとても丁寧で、新卒採用も中途採用もどちらの方にもケースバイケースで一つひとつ指導してくれます。彼がここに転職したのは正解だったと思っています。
それからもう1つ、24時間対応する保育室があることも嬉しいポイントです。新型コロナウイルス感染症の流行下は別ですが、少し熱がある時や二人とも夜勤の時も子どもを預かってもらえ、休日保育もあり、とてもありがたいです。保育料も利用しやすい料金なので本当に助かっています。

episode 04

今後どんなキャリア
を積んでいきたいと考えていますか?

晃一さん

ICUに勤務して4年になりますが、最近になって今後のキャリアについて先輩から聞かれたり、アドバイスされたりすることが増え、自分でも色々考えるようになりました。例えば当院には認定看護師が多く、スペシャリストを目指して認定看護師の資格を取る道があります。一方では、同じ部署にいる男性先輩看護師が、ステップアップしながらマネジメントに注力されている姿にも尊敬とともに魅力を感じていて、今のところは職場でステップアップしながらマネジメントや後輩指導に携わるほうが自分に合っているのではないかと考えています。

みのりさん

私は妊産婦さんを含む、地域の女性の支援に関心があります。妊娠・出産・育児は誰かの力を借りなければ乗り越えられませんが、精神的、経済的に問題のある女性の場合は、困難な課題を抱えてしまうことがたくさんあります。最近は少子化のせいか分娩数が減少傾向にあり、一人ひとりの妊産婦さんにゆっくり関わる時間が増えてきました。そんな中で未受診の妊婦の方が突然来院された時、なぜ受診しなかったのか、なぜ育てたくないのか…そういったことを受け止めながら対応することで話してくれることがあります。今はまだ漠然としていますが、そうやって頼りにしてもらえる体験を少しずつ重ねてきたので、助産師としての経験をいつか地域に還元できたらと考えています。
もっと先のことを言えば、ゆくゆくは海外で仕事をしたいという希望を持っています。実は助産師を目指した頃から海外のことが頭にあったんです。でもそれは育児が落ち着いてから、彼と相談しながら実現できればと思います。

episode 05

武田病院グループに
就職を考えている学生さんに
メッセージをお願いします。

晃一さん

ICUでは急性期を脱するまでの短い期間しか患者さんと関われないのですが、そういった状況でも目に見えて回復していく経過を見るのは嬉しく、毎日が充実しています。でも最初は大変で、想像していたのと違うこともありますし、入ってみないと直属の先輩がどんな人なのかも分かりません。そんな時は、少し落ち着いて周囲の状況を確認しながら、可能な範囲で少しずつ自分のイメージや理解を修正していくことが大事だと思います。大変なことがあっても自分が努力している限りは、職場の支援・協力は絶えることはありませんし、経験を積むうちに自信にもつながります。身体と心を崩さない程度にまずは頑張ってみて、新たに見えた魅力のある仕事があればまた別の職場でキャリアをつなげてもいいのではないでしょうか。

みのりさん

この3年間は新型コロナウイルス感染症の流行下で病院実習が困難になり、実習が短期間にならざるを得ませんでした。その状況で実践するのは不安もあると思いますが、しっかり実習をした世代の私たちも入職当初は不安がありました。一番の学びは患者さんと接することなので、まずは怖がらず実践し、それから勉強してきたことと照らし合わせるといいと思います。
また、先輩から学ぶことも大切です。先輩によって指導の仕方もさまざまなので、「あの先輩はこう言ったけど、別の先輩はこう言った」など、戸惑うこともあるかもしれません。でも、そこには必ず「患者さんのため」という軸が1本通っています。「なぜあの先輩はこう指導されたのか」と考えるうちに頭の中の引き出しが増え、必ず少しずつ自分の力になっていくはずです。色々なタイプの人と出会いながら多くの学びを得てほしいと思います。

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