たけだ通信 No.122

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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TAKEDA12206武田病院グループ康生会武田病院副理事長名誉院長「心を大切に守り続けたい」〝光の如く〟と言わないまでも、歳月というのは疾風のように走り去ります。私は大学を卒業し、京大小児科へ入局後、京都市衛生局に勤めて居りましたが、いまのように保育所のある職場などなく、年子が生まれてからは公務員を続けるのが難しくなりました。そこで1961年、民家の二階を借りて夜間診療を始めました。ほどなく、一日中開業が出来るぐらいの患者さんが来てくださるようになりましたが、それで一番困ったのは〝乳幼児を預かってくれる託児所・保育所さがし〟でした。当グループに子育て中の職員のために時間の院内保育所を設置したのは、こ24の私の経験があったからです。現在とは違い、開業時は全く家庭的な雰囲気でした。透析室のスタッフとイン武田道子スタントラーメンをすすった夜のことが、ついこの間のように思われてなりません。子育てと仕事の両立は多忙を極めましたが、わが子の育児体験を通した実体験から生活指導をすることができ、お母さんたちと共通の悩みを話し合えたのは非常に勉強になり、とても有意義でした。むずがる赤ちゃんを抱えて診療所に飛び込んで来られた方たちと世間話に花を咲かることもしばしばありました。その時の赤ちゃんがいまでは孫の手をひいて診療に来られています。なんでも相談できるホームドクター的な存在として私たちは親しまれ、長年お互い心の支えとなってきました。いまは病院も組織も大きく変わりましたけれど、そうした心を大切に守り続けたいと思って居ります。


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