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Greetingofamanagingdirectorマルチーズだった。当時両親は共働きで兄とは年齢が離れており、概ね祖母と二人で家に居ることが多かった私の一番の話し相手だった。その後ペットを飼ったことはなかったのだが、2001年に人生で初めて自分の意思で飼うことになったのが黒の豆柴だった。初めて我が家に来て抱っこをした時に、今までの愛玩犬とは異質なしっかりとした毛並みに驚いたことを昨日のことのように覚えている。とても性格が良く利口で本当に家族の一員だった。18年間の天寿を全うした翌日には、他府県で暮らしていた子供達が帰って来て一緒に見送ってくれたのがとても嬉しかった。ペットロスとは辛いもので、その後半年以上フラッシュバックに悩まされた。もうペットは飼わないと決意したのはそれが理由なのだが、なぜだか諸事情で育てることになったワケあり犬が3匹家の中を走り回っている。そんな中2021年の台風一過で猛暑のある日、家に居ると何処からともなく猫の鳴き声が聞こえてきた。近くの公園には野良猫が住んでいるので気にも止めなかったが、鳴き声が数日間続くので当時コロナ禍で家に帰っていた息子が散策して物置と壁の隙間で鳴いていた子猫を見つけてしまった。何を隠そう私は立派な猫アレルギー体質だ。子供の頃から何となく感じていたが、最近検査で証明されてしまったのでお墨付きだ。本来は猫と暮らすべき人間ではないのだが、既に家に入ってしまった生後数週間と思われる子猫をどこかに引き渡すわけにもいかず…飼うことになった。今まで人生で接触を避けてきた猫という生き物は噂通り気まぐれで、日中ほぼ寝ており、身体全体が想像以上に長く、身近で観察すると何とも面白く日々驚きの連続だ。猫撫で声という言葉は猫が人に甘える時に出す声なのだと思い込んでいたが、猫に話しかける時に出てしまう人間の声なのだということを初めて知った。(私見)もう大人になった彼は野良の出自にも関わらずかなりおっとりしており、しばしば犬達に食べ物を取られてしまう。台風で親から逸れてしまったのも納得できる。というわけで猫と花粉の相乗効果で涙と鼻水に悩まされる日々を覚悟している50歳代最後の春はもうすぐそこだ。TAKEDA12202