たけだ通信 No.122

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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急増する高齢者の救急搬送適切な治療機能を拡充2024年度は医療・介護・福祉、それぞれの報酬改定が集中する節目の年を迎えます。医療・介護・福祉は、法制度や保険財政は全く別のものですが、サービスを受ける方、サービスを提供する事業者ともに、この複数に跨ることが多く、切り離せない関係にあります。それぞれの課題も共通しており、極論すれば「少子高齢化の対応」に尽きると言って良いでしょう。出生率も総人口も減少を続けており、これに対し高齢者人口は今後も増加が続くためです。またがこの象徴とも言えるのが、2024年度診療報酬改定で新設された「地域包括医療病棟」です。在宅・施設から軽〜中等症の高齢患者さんが救急搬送されるケースが急増しており、高度な救急医療機関が想定する重度患者さんを治療する機能との齟齬が大きな問題となっています。地域包括医療病棟は、高齢者の治療・回復にあたってとくに重要なADL(日常生活動作)機能の維持向上や栄養改善などに重点を置いています。単的に言えば、高度な救急対応能力を維持できるよう、医療機関の機能分担を整えていくというものです。そご当グループでは、従前からこうした高齢患者さんの救急に対応しており、高度な救急医療の機能を維持するとともに、新たな類型にも順次対応し、地域で適切な機能を発揮できるよう努力してまいります。認知症基本法に対応し共生社会の実現に努力高齢化におけるもう一つの大きなトピックは「認知症」への対応です。今年1月1日には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、国民一人ひとりが努力していくことが明記されています。武田病院グループでは、国民病とも言える認知症に対し、早くから対応しており、2018年には、全国初となる認知症のワンストップサービス提供拠点「京都認知症総合センター」を開設。認知症専門クリニックと常設型認知症カフェを併設した珍しい取り組みとして、たびたび報道等でも取り上げられています(本誌P13参照)。21また、昨年末に認可された新しい認知症治療薬「レカネマブ」をいち早く導入し、認知症の状態を画像化するアミロイドPE8参照)での診断にも取り組むなT(同P0ど、早期発見・早期治療に努めています。今後は啓発活動もさらに力を注ぎ、地域関係団体の協力のもと、あるべき共生社会の実現に努力してまいります。機械的な数量合わせではなく相手を思う気持ちで臨む他にも「医師の働き方改革への対応」や「感染症対応」など、我々が取り組むべき課題は非常に多くあります。医療資源は限られていますので達成のためには、これまで以上に関係機関との連携を深めていくほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくことが欠かせません。もちろんこれらの取り組みは、機械的な数量合わせとなるのではなく、相手を大切にする「思いやりの心」を持って臨まなくてはなりません。これからも真に必要とされる病院グループであるよう、この気持ちを持ち続けてまいります。01122TAKEDA


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