毎日のちょっとした運動で、皆様の健康な生活をサポートいたします。 さあ、生き生きライフを目指して、体を動かしましょう!
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医仁会武田総合病院 疾病予防センター 鈴木 喜也
厚生労働省によると総人口に占める65歳以上の割合は過去最高の25.1%であり、京都府は25.8%と全国平均を上回っています。加齢とともに身体機能は低下する為、高齢者の介護予防が重要な課題となっています。
最近、「サルコペニア」という言葉が注目されています。サルコペニアとは、ギリシャ語でサルコ=筋肉、ぺニア=喪失と訳すことができ、加齢に伴う筋量減少と、それに伴う筋機能の低下を意味します。サルコペニアは転倒の危険性の増加、骨密度の低下、肥満、栄養障害、糖尿病発症などとの関連も指摘されており、要介護者数の増加の問題にとどまらず、生活習慣病にも関連すると考えられています。
サルコペニアで最も重要なのは、筋量と筋力の低下によって引き起こされる身体機能障害であり、移動能力の低下がその代表です。横断歩道の青信号は、歩行速度が秒速1mで渡りきれるように設計されています。皆さんは青信号の間に渡りきれていますか?サルコペニアには簡便な分類基準があり、右図のようになっています。歩行速度と握力によって分類されますが、皆さんの現状は、いかがでしょうか?
サルコペニアを予防・改善する運動としては、ウォーキングと筋力トレーニングの併用がお薦めです。歩行速度は、ピッチ(足の回転)×歩幅で表せます。加齢によるピッチの減少は少なく、歩幅が狭くなることで、歩行速度が低下します。その為、なるべく歩幅を大きくすることを意識して、「楽である~ややきつい」と感じる強度で歩きましょう。また、筋力トレーニングも有用で、スクワットと足振り体操がお薦めです。体力に自信のない方でも、動作をゆっくりと行うことで効果が高まります。10回を2~3セット行うことを目安にして下さい。歩幅の減少を予防し、いつまでも健脚で、いきいきとした生活を送りましょう。
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