毎日のちょっとした運動で、皆様の健康な生活をサポートいたします。 さあ、生き生きライフを目指して、体を動かしましょう!
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。
康生会武田病院 リハビリテーション科 健康運動指導士 係長 濱道 里美
■はじめに
糖尿病患者は、食生活の変化、電化製品の発展、運動不足に比例して増加しているといわれています。平成19年に実施された糖尿病実態調査によると、「糖尿病が強く疑われる」「糖尿病の可能性を否定できない」者が約2210万人と推計されており、平成9年の調査の約1370万人と比較しても顕著な増加を示しています。
■糖尿病教室に参加して生活習慣改善のきっかけに
糖尿病は生活習慣病のひとつであり、生活習慣の改善が病気の予防、改善になるといわれています。
しかし、長年の日常生活習慣を変化させることは容易ではありません。最近テレビ等で糖尿病に関する様々な情報が提供されていますが、マスコミは、視聴率重視のため間違った情報を伝えていることもあります。
医療機関では、患者さんに正しい知識を持っていただくために、糖尿病教室を開催しています。
医師は病気の知識や最新の治療法など、看護師はフットケアや日常生活の注意点などを現場での経験を通して伝えています。ほかに、管理栄養士・薬剤師・検査技師・健康運動指導士が連携をとり、生活習慣改善の工夫を伝えています。
健康運動指導士は、運動を楽しく安全に継続できるように、糖尿病や合併症の状態を悪化させないための運動の方法や、運動の効果、運動の危険性について説明しています。運動の内容は、ストレッチや筋力トレーニング、歩行の方法等、自宅で手軽に継続でき、運動のきっかけになるものを紹介しています。
糖尿病教室には、屋外プログラムも有効です。患者さん同士やスタッフとの交流ができ、屋外ならではの注意点をお伝えすることができます。歩行方法や歩行時の休憩についての質問が多く聞かれます。
当院の教室参加者は、約半数が定期的に参加しています。平成23年のアンケート調査では、次回も参加したいという方は100%と好評でした。運動に関しては、教室で実
施した体操の資料を配布し、自宅でも実施していただいています。教室の参加者同士で話しをしたり、スタッフに質問をしたりすることが一人ひとりの疑問を解決できる場になっています。
糖尿病教室に参加した効果を調べたデータでは、教室開始前後でHbA1c、随時血糖値、体重、BMIが有意に減少したと報告されています。(Yamanashi Nursing Journal Vol.9 No.2 2011より)
糖尿病教室は、ほかの生活習慣病(心疾患や高血圧等)の方にも参加していただける内容です。日々の生活の中で継続のきっかけとなるよう、糖尿病教室に参加してはいかがでしょうか。
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