毎日のちょっとした運動で、皆様の健康な生活をサポートいたします。 さあ、生き生きライフを目指して、体を動かしましょう!
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。
康生会武田病院 リハビリテーション科 健康運動指導士 山本 裕子
毎年私達は、健康フェアで健康チェックを行っています。その中でも、骨密度の測定は希望者が多く、骨粗鬆症への関心も高いようです。
今回は、骨粗鬆症と運動の関係を紹介します。
■骨のしくみ
全身の骨は、古い骨を壊して新しい骨に作り変え、日々強く生まれ変わっています。骨が生まれ変わるには、カルシウムなどの栄養摂取と、運動による刺激が必要です。
■骨粗鬆症とは?
高齢になると、骨を壊す働きが強くなってしまい、骨密度が減少してしまいます。
特に閉経後の女性では急激に骨密度が低下します。女性ホルモンであるエストロゲンは、骨へのカルシウムの取り込みを調節する働きをしています。閉経後はエストロゲンが減少するため、さらに骨密度が低下します。もろくなった骨は骨折を起こしやすい状態になってしまい、これを骨粗鬆症といいます。
■骨粗鬆症と運動の関係
当グループの運動施設に通う閉経後の女性の骨密度は、年齢、体重の影響を除いても、10m障害物歩行(10mの間に2m間隔に置かれた高さ20cm、幅10cmの障害物をまたぎ越す)のスピード(平均 8.1秒)が速い人ほど骨密度の低下率が低いという 結果が出ています。障害物歩行の動作には、歩くだけでなく、足を高く上げる・地面を蹴る筋力、片足になる動作でのバランス能力が必要であり、障害物を越えて着地する衝撃がかかります。
また、骨密度が正常でも、TUGテスト(椅子に座った状態から立ち上がり、3m先のコーンをできるだけ早く回り、元の椅子に座る)の結果が不良(10.2秒以上)であれば、その後9年間の骨折の危険性が高まるとの研究結果が報告されています。
■骨粗鬆症は予防できる?
実際に、ジョギングや歩行などの骨に荷重を与えることでの一次的な予防と、転倒による骨折を防ぐための筋力とバランス能力を養うことを目的とした運動処方があります (資料)。
■実際に運動してみましょう
狭い場所でもできる体操です(写真)。大腿部や下腿部、脚内転・外転筋への刺激は、あなたの骨粗鬆症の予防に必要です。
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