毎日のちょっとした運動で、皆様の健康な生活をサポートいたします。 さあ、生き生きライフを目指して、体を動かしましょう!
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。
医仁会武田総合病院 疾病予防センター
健康運動指導士 係長 黒瀬 聖司
1. 平衡性の低下とともに増す転倒の危険性
体力要素には筋力、持久力、柔軟性、平衡性などがありますが、加齢により最も低下するのは平衡性と言われています。その平衡性が低下するとともに転倒の危険性が高まります。
先日、当センターの運動療法参加者を対象に体力測定を実施。その時に、国際標準化身体活動質問表を用いて、日常生活の中で参加者自身がどのくらい動いているかを回答してもらいました。あわせて万歩計を装着して実際の運動量も測定。その結果が図1で、自分が感じている運動量と実際の運動量の関係を表したものです。
黄色の枠のように自分が感じる運動量と実際の運動量が比例している方が多数でしたが、赤色の枠のように実際の運動量が少ないにも関わらず、自分では動いていると感じている方も12%いました。群間で体力要素を比較してみると、赤枠の群は他の群に比べて、平衡性が低値を示すという特徴が出ました。
平衡性が低下している人に限って「自分はよく運動している」と思い込んでおり、そのズレが転倒の危険性を高め、最悪骨折に繋がる恐れもあります。
2. 下肢筋力向上でバランス改善
転倒予防には下肢筋力の向上を介して、バランス能力を改善させることが大切です。
太ももとふくらはぎの筋力トレーニングを図2に示しました。太ももの筋力運動は、膝痛がある場合には椅子を利用して、左右の膝の曲げ伸ばしを行いましょう。膝関節に問題がなければ、椅子からの立ち上がり運動を行いましょう。また、ふくらはぎの筋力運動は、両方の踵の上げ下げ(つま先立ち)を行いましょう。
さらに、万歩計を利用して自分の運動量を客観的に知り、自分の感覚とズレがないかを知ることも大切です。下肢筋力運動を意識的に行い、バランス能力の改善、転倒予防を目指しましょう。
【筋力運動の注意点】
* 10回×2セットから始める
余裕が出てきたら、回数やセット数を増やす
* 呼吸を止めない(力を入れるときに息を吐く)
* 使っている筋肉を意識する
* 関節などの痛みを感じない範囲で行う
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