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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 副院長 川西 昌浩「高齢者に多い腰の病気」

2024/06/27 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

kawanishidr0627.jpg高齢者に多い腰の病気」 運動し腹筋・背筋を鍛えよう

武田総合病院 副院長 川西 昌浩

 

高齢者に多い腰の病気は。

代表的な病気に、背骨の圧迫骨折や腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症、変形性脊椎症があります。圧迫骨折は骨粗しょう症が原因で起こることが多く、高齢者に急に生じた腰痛の3分の1はこの病気だといわれます。主な症状は立ち上がる時や、寝返りを打ったりする時の激しい痛みです。鎮痛剤を飲み、コルセットで固定して安静にします。多くの人が3~4週間くらいで治りますが、寝ている時間が多いと足腰が弱ることがあり、コルセットを装着してできるだけ動いてもらいます。激しい痛みが続く場合は、骨の中に骨セメントを注入する「経皮的椎体形成術」なども選択します。

腰部脊柱管狭窄症とは。

腰のじん帯が厚くなり、神経の通り道が狭くなる病気です。長時間立ったり歩いていると足腰が痛くなり、腰を屈めると楽になるというのが症状の特徴です。現状維持で過ごせる人もいますが、約3分の1は進行し、歩ける距離が短くなっていくことがあります。治療としては、厚くなったじん帯を顕微鏡や内視鏡を使った手術で取り除きます。治療のタイミングが早いほど、残る症状が少なくて済みます。

変形性脊椎症の症状や予防は。

主に加齢が原因のため、40代から増え始め高齢者に多くみられます。骨の変形が必ずしも痛みを起こすわけではありませんが、背骨の動きが悪くなり体を安定させることが困難になると、筋肉に過度の負担がかかり「背中、腰が重い」「だるい」などの鈍痛が出ることがあります。こうした痛みの治療は、痛み止めや、コルセットによる局所の安静、理学療法や神経ブロックなどが検討されます。腰痛の予防としては、腰痛体操(寝転がって膝を立て、おへそを上げる体操)や、散歩をしたりして腹筋や背筋を鍛えるとよいでしょう。