05.経皮的腎結石破砕術(PNL)

Q.どのような治療法ですか?

経皮的腎結石破砕術(PNL)は、腎や上部尿管の結石に対して、腎内の尿の通り道である「腎杯」という部位に皮膚からトンネルを作成します。そのトンネルから内視鏡を挿入して結石に直接到達させます。その後レーザーや空気圧縮装置といった破砕装置で結石を破砕し、体の外へと摘出します。近年では、経皮的手術と、前回ご紹介した経尿道的手術を同時に行う内視鏡併用腎内手術(ECIRS)が普及し、より効率の良い手術が可能となっています。当院でもECIRSとして年間30例の手術を行っており、治療成績も良好です。

腎杯に皮膚から内視鏡を入れてトンネルを作成する

 

Q.どのような利点がありますか?

太い内視鏡が使用できるので、経尿道的手術単独では困難な大きな結石でも、1回の手術で処理できる点が魅力です。

 

Q.欠点はありますか?

腎に針を刺してトンネルを作成する操作の際に出血しやすい点があります。できるだけ細いトンネルを入れることで、出血を防ぐようにしています。

 

Q.適応となる結石は?

直径20mm以上の大きな結石で、腎から上部の尿管に存在する結石が良い適応です。破砕装置を用いるので、硬い結石でも十分対応可能です。

 

Q.手術時間はどれくらいですか?

合併症が少ないとされる2時間を目安に行います。

 

Q.麻酔は必要ですか?

基本、全身麻酔で行います。

 

Q.外来でも施行可能ですか?

入院で施行いたします。

 

次回はロボットによる腎盂切石術について、

詳しくお話いたします。