2023/09/26
【重要】血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」を京都府下で初導入!
DSA装置
血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」を京都府下で初導入!(2023年9月現在)
当院ではこのたび、血管撮影装置「ARTIS icono D-spin」(ドイツ・シーメンス社製)を京都府下の医療機関で初めて導入しました。
当装置は、脳神経外科をはじめ放射線科や循環器系(心臓カテーテル・不整脈アブレーション)など多目的に活躍できます。また血管撮影室の空気の空調に関しては、高性能フィルターを配置し換気条件を整えたことで、手術室と同等の空気清浄度を保てるため、大動脈ステント内挿術(心血管外科施行)や心臓デバイス植込み術(ペースメーカ、植込み型除細動器)などの手技に適合したハイブリッド治療室を実現しています。
「ARTIS icono D-spin」は従来機と比べ画像処理能力が格段に上がり、カテーテルなどのデバイスの視認性が向上しています。また正面・側面のCアームを同時可動することで撮影時間を大幅に短縮できます。さらには、より高精細な3D画像を得られることで、これまで以上に質が高く安全な治療につなげることができます。3D画像は高度な治療には不可欠と言えるでしょう。
そして、不必要なX線照射を抑え、常に適正線量での透視や撮影が行えるため、患者さんの放射線被ばくを大幅に低減、放射線障害の発生も減少します。
安全・利便性の高い治療室を設備し、医師・医療スタッフが協力することで、質の高い医療を提供してまいります。
さらに迅速・安全・高度な治療提供へ
全国でも40数台目(近畿6台目)となる最先端の診断治療機器が9月に京都府下初!「医仁会武田総合病院」に導入されました。
全身の血管撮影に対応した高性能の透視装置の配備に加え、清潔な環境整備と全身麻酔も対応可能とすることで、カテーテル検査・治療の機能を併設した「ハイブリッド治療室」の完成です。
大きな特徴
- 高精細な視認性・3D画像
- 優れたワークステーション(特に解析やシミュレートで)
- 被曝量低減
当装置「ARTIS icono D-Spin」は、脳動脈瘤や頭蓋底血管奇形の治療で能力を発揮します。特に、「フローダイバーター」というステント(メッシュ状の筒)のみでの動脈瘤治療に活かしたく思っています。
また、「時間との勝負」と言われる脳梗塞に対しても、代謝評価を併用しながら血栓回収療法を行います。脊椎外科では、正側リアルタイム透視下手技(椎体形成術や神経根ブロック)による高精度な治療が可能になります。
当科では前年度(R4年度)、診断検査40件、脳血管内治療50件ほどを担ってまいりました。今回の導入を機に、より一層、迅速・安全・高度な医療を地域に提供すべく、医師・医療スタッフが一丸となって、努力してまいります。
医仁会 武田総合病院 副院長
脳卒中センタ-/脳神経外科 部長
川西 昌浩
脳卒中センタ-/脳血管内治療部 部長
山田 誠